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2015年7月19日(日)

TPP 帰すうを決めるのは各国国民のたたかい

米国でも多彩な反対運動

政策研究所研究員 マヌエル・ペレスロチャ氏に聞く

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 環太平洋連携協定(TPP)をめぐり、オバマ米大統領は6月29日、交渉権限を議会から大統領に移譲する大統領貿易促進権限(TPA)法を成立させました。しかしTPP・TPAに反対する米国内のたたかいも前進しています。今後の展望について、ワシントンにあるシンクタンク「政策研究所」(IPS)のマヌエル・ペレスロチャ研究員に聞きました。(ワシントン=島田峰隆)


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(写真)(島田峰隆撮影)

 今後大切なのは米国だけでなく、交渉参加国のいたるところで反対運動を強めることです。いくら米政府がやる気でも、他の交渉国で反発が強まれば容易には進みません。帰すうを決めるのは各国国民のたたかいです。

 米政府は今後、TPPの条文案を、議会に送付する前に公開しなければなりません。条文案がいったん明るみに出れば、“こんな危険な協定は受け入れられない”と怒りや反発が一斉に広がることは疑いありません。

背景に過去の教訓

 米国ではこの間、TPPやTPAに反対する多彩なネットワークが発展しました。労働組合や環境団体など従来、自由貿易とたたかってきた組織だけでなく、インターネットの表現の自由を守る団体や人権団体、医療組織なども反対運動に加わりました。

 保守のケイトー研究所と進歩的な消費者団体パブリック・シチズンが4月、投資家対国家紛争(ISD)条項の危険を告発し、同条項の削除を求める論評を共同でメディアに発表したのも一例です。

 背景にあるのは、米国民が過去の経験から教訓を学んだことです。

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(写真)米議会の近くでTPP・TPA反対の声を上げる市民ら=6月23日、ワシントン(洞口昇幸撮影)

 1994年に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)の時に米政府は、自由貿易で雇用が増えると約束しました。しかし企業の海外移転で雇用は減り、労働や環境、食品の安全の基準は切り下げられました。約束とは逆のことが起きたのです。国民の間にはTPPも同じように大企業支援の自由貿易協定だという受け止めがあります。

危険を広く伝えて

 米議会はTPA法案を通すのに苦労しました。これは国民の懸念や反対の反映です。少なくない議員が反対に回りました。他の法案とからめて“奇術”を使ってなんとか通したというところでしょう。

 日本でいえば農業分野など、各国で国民がとりわけ脅威だと感じている部分があると思います。具体的な例を示してTPPの危険を広く伝えることが重要になるでしょう。


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