2015年7月11日(土)
社福法改定案 公的責任後退 憤り覚える
参考人から批判次々
衆院厚労委 堀内議員質問
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社会福祉法改定案に対する参考人質疑が10日の衆院厚労委員会で行われ、批判や意見が相次ぎました。
社会福祉施設経営者同友会の茨木範宏会長は、地域公益活動の義務付けは「(国が社会福祉法人に)財政的援助を求めない、不当な関与を行わないとする社会福祉法違反だ」と指摘。「財政状況が厳しいなかで利用者と労働者へのしわ寄せが起こる」とのべ、「拙速な審議採決をやめ、憲法に基づく人権原理が貫かれた制度を求める」とのべました。
「きょうされん」の赤松英知常務理事は、営利法人との公平性を理由に法人への特別措置を取り払うことは、「社会福祉事業の原則である非営利性、公益性をなし崩しにする」と指摘。地域公益活動の義務付けは「公的責任の後退につながる」とのべ、退職手当共済への公費助成廃止も「福祉人材確保と正反対」と批判しました。
明治安田生活福祉研究所の松原由美医療・福祉政策研究部長は、福祉法人が「内部保留」をため込んでいるとの議論について「会計上、利益に計上しているが実質はコスト。営利組織の利益とは決定的に異なる」と強調。社会福祉法人吹田みどり福祉会の菊池繁信理事長は、すでに地域公益事業に取り組んでいるとのべ、社会貢献を果たしていないとの議論について「憤りを覚える」とのべました。
日本共産党の堀内照文議員は、「(義務付けによって)自主的な取り組みの性格が変わってしまうのではないか」と質問。茨木氏は、本体事業と地域公益活動が分けられないのが実態であり、「社会福祉事業がどうあるべきかの議論こそもっとされるべきで、そのなかで社会福祉法人の役割を議論することが必要だ」とのべました。