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2015年7月1日(水)

きょうの潮流

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 東京の観光名所でもある東京タワーには約4千トンの鋼材が使われています。建設当時の1950年代後半には、良質な鋼材がないため、朝鮮戦争で使用した米軍の戦車まで使われたのだそうです▼さて2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場。屋根には東京タワー4本分を超える膨大な鉄材が使われる計画です。流線型のデザインと屋根を支える2本の巨大なアーチ構造のためです。高品質の鉄を大量に使い、技術的にも難しい。膨らんだ総工費2520億円のうち、1千億円以上もこれに費やされるというから尋常ではありません▼この鉄のはりが、お飾りと化す可能性が高い。先日、下村博文文部科学相が、アーチと密接不可分の開閉式屋根部分を五輪後に先送りすると公表しました▼競技場としては破格すぎる建設費。財源のめどすらたっていません。仮に建っても五輪後に屋根ができるのかも疑わしい。となればアーチは巨大で無用なオブジェと化します▼ずさんな計画に批判が巻き起こっています。著名な建築家がこれを使わず、工費を抑え、工期も間に合う案を示しています。「文科省案では間に合わない」と指摘する専門家も。それでも文科省はかたくなです。安倍晋三首相も東京五輪を「国の威信をかけた事業」と決め込みます▼ちょっと待ってほしい。五輪に民意を反映させることは、いま国際オリンピック委員会が重視する姿勢です。この問題は五輪のあり方を、大本から見つめ直す作業でもあります。


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