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2015年6月9日(火)

主張

違憲の「戦争法案」

「即時廃案」にするしかない

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 アメリカが世界のどこでも起こした戦争に自衛隊が参加し、これまで違憲としてきた集団的自衛権の行使まで憲法解釈を変えて認めようという「戦争法案」の企てに、改めて憲法違反だという批判の声が高まっています。多くの憲法学者や法律家の団体が廃案を求める声明を発表し、全国の弁護士が参加する日本弁護士連合会も反対声明を発表しました。衆院の憲法審査会では、与党の自民・公明が推薦した憲法学者まで、「違憲」と表明するありさまです。違憲の法律を成立させることは許されず、安倍晋三政権は直ちに「戦争法案」立法化の企てをやめるべきです。

憲法学者も弁護士も

 「憲法9条が定めた戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の体制を根底からくつがえすものである」「法律家は安保法制を許さない」「意見を述べ行動しなければ、弁護士及び弁護士会は、先の大戦への真摯(しんし)な反省と、そこから得た痛切な教訓を生かせないことになる」―憲法学者や法律家団体、さらに日弁連などの声明は、憲法を守るそれぞれの立場から「戦争法案」に反対する強い思いに満ちあふれています。

 いまから70年前戦争に敗れた日本はアジアと日本国民に甚大な被害を及ぼしたことを反省し、憲法前文に「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」決意を明記し、憲法9条で戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認をうたいました。自民党など歴代政府は憲法を踏みにじって、自衛隊を創設し、軍拡を進め、アフガニスタン報復戦争やイラク侵略戦争などでインド洋やイラクに派兵しましたが、「非戦闘地域」に派兵するとか、「武力の行使」とは「一体化しない」などと言い訳を続けたのも、憲法の制約があったからです。

 安倍政権が進める「戦争法案」の企ては、そうした制約を取り払い、アメリカが始めた戦争で自衛隊が「後方支援」の名で弾薬の補給や武器の輸送まで行い、「戦闘地域」であっても活動できるようにするというものです。文字通り武力の行使と一体です。憲法9条を完全に踏みにじるものです。

 とりわけ日本が攻撃されてもいないのに海外で武力を行使する集団的自衛権の行使は、歴代政府でさえ憲法上許されないとしてきたものです。アメリカが先制攻撃の戦争を起こした場合でも発動される危険が浮き彫りになっています。安倍政権になったとたん解釈を変え行使を認めるのは、まさに、憲法に対する“クーデター”そのものです。衆院憲法審査会で野党推薦の参考人だけでなく与党推薦の参考人からさえ「集団的自衛権が許されるという点は憲法違反」と批判されたのは当然です。

成立阻止の一点で協力を

 「戦争法案」に対する憲法違反との批判に、安倍政権は憲法解釈の変更は「政府の裁量の範囲」などと強弁しますが、憲法は公務員などの憲法尊重擁護義務(99条)を定め、憲法に反する法律は「その効力を有しない」(98条)としています。憲法に違反した「戦争法案」の強行自体、憲法にもとづく立憲主義に反したものです。

 「戦争法案」には国民の8割が納得していません。即時廃案にすべきです。憲法を守りいかすために、今国会成立阻止の一点で力を合わせることが急務です。


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