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2015年5月18日(月)

NPT会議

禁止条約交渉・非人道性の言及 核保有国が反発

最終文書案 調整続く

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 【ワシントン=島田峰隆】ニューヨークの国連本部で開催中の核不拡散条約(NPT)再検討会議で、締約国は22日の閉幕を前に最終文書案をめぐる交渉を続けています。核兵器廃絶を求める非核保有国は核兵器禁止条約の交渉開始を明記し、非人道性の言及を強めるよう求めていますが、核保有国(米英仏中ロ)が強く反発しています。


 核兵器廃絶を扱う第1委員会のエンリケ・ロマン・モレイ議長は15日、最新の最終文書案を配布しました。文書案は、核軍備の縮小・撤廃へ誠実に交渉するとしたNPT第6条に関し、「核兵器のない世界の達成と維持へ法的規定を含めた効果的措置を確認し、練り上げる過程にすべての締約国がかかわるよう奨励する」と指摘。法的規定には「多様なアプローチ(接近法)」があるとして、非同盟諸国が提案する核兵器を包括的に禁止する条約など、この間の議論で出ている提案に触れています。

 核兵器使用の非人道性については「関心の高まりを認識、留意する」とし、会議中に159カ国が連名で発表した共同声明を「歓迎する」としました。

 ただ8日時点の最初の文書案にあった「第6条の全面実施には法的枠組みが必要だと大多数の締約国が考えていることに留意し」という文言は削られたままです。非人道性についても「広範な国際的議論を歓迎する」としていた表現が弱められています。世界の指導者に広島・長崎の訪問を呼び掛けた部分も復活していません。

 15日までの議論では、非同盟諸国や新アジェンダ連合(NAC)などが核兵器を禁止する法的拘束力のある文書や枠組みの必要性を盛り込むよう要求。圧倒的多数の国が、これまでの3回の国際会議を踏まえて、非人道性の記述をさらに充実させるよう求めました。

 一方、米国は「核兵器廃絶は時間枠で決めることはできない。国際的な安全状況を考えなければならない」などと発言。フランスは非人道性の国際会議に自国が出席していないことを理由に「意見が分かれる」問題だなどと主張し、非人道性について述べた主要段落の削除を求めています。

 現地からの報道によると、「われわれは全会一致での文書採択へ努力しているのに、自国の願望に文書を屈服させようとしたり、文書そのものを危険にさらしたりしている国がある」(南アフリカ)という声が出るなど、核保有国への批判が強まっています。


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