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2015年5月14日(木)

きょうの潮流

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 フランス人はしばしば「三度の大戦」と言います。ドイツの前身、プロイセンとたたかった普仏戦争(1870〜71年)が含まれます▼世界大戦と規模が異なるものの、パリを占領されたこの戦争はフランスにとって大戦でした。70年間に3度、戦火を交えた独仏の和解をもとに第2次大戦後、欧州共同体、現在の欧州連合(EU)が築かれました▼憲法にあたるEU条約は「人間の尊厳」や民主主義、平和、寛容を掲げます。中世から戦争が繰り返された欧州で、国を統合することで平和を実現したいという思いがこの理念に込められています▼先週行われた英国の総選挙で「2017年までにEU脱退を問う国民投票の実施」を公約する保守党が単独過半数を得ました。脱退の是非が実際に問われます。世論調査でEUへの信頼は独仏4割に対し、英国は2割台と極端に低い。最も多い不満は「移民問題」です▼英国では、EUに新規加盟した東欧諸国から移民が急増し、失業や犯罪の増加を移民のせいにする主張が勢いを増しています。移民の大半は出稼ぎ労働者です。働き手として税収増に貢献しているとの反論もあります。何より英国の憲法的文書の一つ、人権法は民族や国籍の違いによる差別を禁じています▼一方、ロンドンの金融街では独仏がEUへの導入を進める金融取引税への反発が強い。保守党は脱退の可能性をたてにEUと加盟条件をめぐる駆け引きに持ち込み、有利な結論を引き出そうとしています。欧州の苦闘が続きます。


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