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2015年5月2日(土)

自民質問 農水省代作か

参院決算委で若林議員  「御発言メモ」と議事録 うり二つ

“秘書から原稿案依頼ありました”

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 自民党の若林健太参院議員の事務所が、2月の参院決算委員会での質問にあたって、答弁する側の農林水産省に代作を頼んだ疑いがあることが1日、本紙の取材でわかりました。国会でチェックを受けるべき行政機関に、質問を丸投げする実態からは、TPP(環太平洋連携協定)で農業つぶしを推進する一方で、真面目に農政に取り組まない政権与党と政府の無責任ぶりがみえてきます。 (矢野昌弘)


内部文書入手

 本紙が入手したのは、農水省の国会連絡室が作成した「院内情報」と題した内部文書で、若林議員秘書の依頼を伝える内容です。同連絡室は作成したことを認めました。

 文書は「2月10日の(参)決算委で質疑に立つことになったため、以下の5項目について、それぞれの問題意識を踏まえ、読み上げ原稿案を作成するよう依頼がありました」。担当者に2月5日までに原稿案を提出するよう求めています。

 さらに本紙は「若林健太議員御発言メモ」と題する農水省が作成した“代作原稿”も入手しました。

 「御発言メモ」は、台本の形式になっており、「土地改良の予算についてお伺いします」「大臣の考えをお聞かせください」「農林水産省からの答弁」などと、質問の筋書きが書かれています。

 若林議員が2月10日に決算委員会で行った実際の質問内容と「御発言メモ」を照合すると、質問5項目のうち2項目が、ほぼ同じ内容です。

 残り3項目については、質問前日の9日に、自民党と全国農業協同組合中央会(JA全中)が「農協改革」で大筋合意したことから、質問内容を一部変更したものとみられます。

 “代作原稿”での質問とみられる2項目では、「私の地元である長野県の農家や土地改良区の方から、土地改良の予算が十分ではない、足りないとの声が寄せられております」などと同じ言い回しです。

 質問テーマは「農地利用の集積・集約化」など、農水省が推進していることを露骨に後押しするものです。

 行政機関が、議会質問を代作することは、憲法が定めた公務員の政治的中立を侵すもの。実際に「御発言メモ」には、「現場の要望に応え得る予算が確保されました」と、自公政権の“成果”を強調する文言があり、政権与党に肩入れする内容でした。国会審議を形骸化させ、議会制民主主義を骨抜きにするものです。

 本紙は、どちらの文書も質問前日の2月9日までに入手しました。

 若林氏は、父親の若林正俊元農水相の参院議員辞任後の2010年に長野選挙区から初当選。党副幹事長などを歴任しています。

 若林議員の事務所からは本紙の取材に1日までに回答がありませんでした。

 農水省国会対策室は、文書作成を認めた上で「代作ではない」と主張。「質問の整理の一環で作成したもの。(議員の質問が)どんな流れになるか(まとめたもの)をわれわれは『読み上げ原稿』と呼んでいる」と釈明しました。

写真

(写真)若林議員事務所からの依頼を伝える「院内情報」(左上)。“代作原稿”の「若林健太議員御発言メモ」(下)と、同様の内容の発言だった国会議事録(右上)

(拡大図はこちら)

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