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2015年4月30日(木)

ネパール地震 死者5000人超 懸命の捜索続く

「薬 底ついた」

あふれる負傷者 物資足りず

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 【カトマンズ=安川崇】マグニチュード(M)7・8の地震が襲ったネパールの首都カトマンズ。25日の地震発生から4日がたち、救出された被災者の生存率が急激に下がるとされる72時間が過ぎた29日も、海外からの救助隊が引き続き捜索を続けていました。当局によると、死者数はインドや中国を含めて5100人を超えました。屋外や仮設テントでの生活を強いられている住民の不満も高まっています。


写真

(写真)ショッピングモール倒壊現場で捜索を続けるインド災害即応部隊=29日、カトマンズ(安川崇撮影)

 カトマンズ市西部、ビシュヌマティ川沿いのショッピングモール倒壊現場。インド災害即応部隊の66人が崩れたビルに取り付き、鉄筋コンクリートの梁(はり)をクレーンで吊り上げたり、折り重なった床に穴をあける作業に追われていました。

 同部隊のO・P・シン長官によると、6階建てのビルの床がほぼ1枚に重なり合っており、なお50人前後が下敷きになっている可能性があります。

 現場からはこれまで10人が遺体で発見されました。同長官は「72時間は過ぎたが、少しでも生存の可能性がある限り全力で捜索を続ける」と語りました。

 現場を視察したネパールのバムデブ・ガウタム内相は「インド、中国、日本など各国の支援に深く感謝する」と語りました。一方で、「今は救出が最優先だが、今後は家を失った何十万人の人々の再定住が課題になってくる。膨大な費用と尽力が必要になるだろう」とも述べました。

 病院はどこも負傷者であふれ、治療を受けられない人も多数。ネパール政府は、捜索・救援隊だけでなく医療チームの派遣を各国に要請しました。

 市内のあちこちに、建物が倒壊したまま手つかずになっているところがあります。

 外国人観光客が集まるタメル地区に隣接するダルコ地区では、4階建ての建物の前面が道路に崩れています。レンガや木材が背丈より高く堆積し、砂ぼこりにまみれたベッドなどの家具が見えます。

 「このビルには貧しい家族たち約20人が住んでいた。小さい子どももいた。何人がこの下に埋まっているのかわからない。救助隊はまだ来ない」

 近くに住む仕立業のクリシュナさん(38)が、こう言ってため息をつきました。

 市中心部では前日から電気が復旧。29日は一部の商店が開き始めました。しかし物資不足は続いています。無料診療所のサリタ・マハルジャン医師は「外傷の患者が圧倒的に多いが、麻酔や鎮痛剤が底をついた。薬局は開いているが製薬会社からの供給がない」と訴えました。


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