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2015年3月15日(日)

躍進共産党 国会変える

鋭く多彩に政権と対決

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 総選挙の躍進で議員が倍以上になった日本共産党衆院議員団。新人議員14人を含む20人が予算委員会で質問に立ちました。質問時間も大幅に増え、党を代表して安倍晋三首相に雇用問題を追及した志位和夫委員長の基本的質疑は、99分間に拡大しました。各議員が取り上げたテーマは経済、安保・外交、社会保障、教育、原発から、リニア新幹線、被爆者救済、性的マイノリティー(LGBT)問題まで多彩。現地調査をもとに人々の切実な声を政府に突きつけました。党躍進で国会が変わりつつあります。

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与野党問わず「勉強になった」

時間拡大 新人活躍

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(写真)大幅賃上げを求め、春闘行動の労働者たちと唱和する党国会議員団=2月17日、衆院議員面会所前

 「共産、議席増で質疑時間倍増 じっくり『攻撃』」(「産経」1月31日付)

 通常国会での論戦の舞台は大きく広がりました。8議席だった昨年と比べると、衆院予算委員会での総質問時間は約9時間から19時間へ大幅に拡大(グラフ)。質問回数は18回から34回に増えて、論戦の勢いも増しています。

 多彩なテーマで論戦に挑む新人議員の姿は注目を集めました。

 「初質問は、大臣と距離が近くて緊張しました」と感想を照れながら話す池内さおり議員。国会で正面から取り上げられることがほとんどなかった性的マイノリティーの人権保障をテーマに、政府に啓発活動の促進を求め、前向きな答弁を引き出しました。

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(写真)池内さおり議員

 質問直後、与野党問わず他党議員から「勉強になった」などの声があがり、メールやツイッターなどでも反響をよびました。

 阪神・淡路大震災から20年。堀内照文議員は「私も神戸在住で被災者の一人」と切り出し、被災者向けの借り上げ公営住宅からの追い出し問題を取り上げました。

 借り上げ住宅入居者でつくる協議会のメンバーは、インターネット中継を見て、「国会で取り上げられ夢のよう」と拍手。自民党支持者から「中身のある質問だ。がんばってほしい」と激励の電話もかかってきました。

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(写真)堀内照文議員

 広島出身の大平喜信議員は、平均年齢80歳になろうとしている被爆者の思いを代弁しました。「被爆者手帳をもち、さまざまな病気で苦しんでいるにもかかわらず、原爆症と認められない」と、原爆症認定を却下し続ける国の姿勢を批判しました。

 清水忠史議員は、生活保護費の一部をカード会社加盟の一部店舗でしか使えないプリペイドカード(プリカ)で支給するというモデル事業について取り上げ、「(プリカでは)安売り店に行かれへんやないか」という住民の怒りの声をぶつけました。厚労省が同事業の法的根拠を突然変えたことを批判し、塩崎恭久厚労相が陳謝しました。

 梅村さえこ議員は、「申込者の4割、5割が入所できない自治体がある」実態にふれ、保育所の待機児童問題が依然として深刻だと指摘。15年度予算案では、待機児童解消のための予算が減らされていることを告発しました。

 宮本徹議員は新人ながら、予算関連法案を審議した衆院財務金融委員会を担当して、フル回転で質問。安倍内閣のもとで膨らむ軍事費の増大を同委員会で追及しました。

生の声次々 大臣も感嘆

“現場力”に注目が

 「これが現場の実態だ」。党議員の声が何度となく衆院第1委員室に響きました。国会議員団は、現地調査で聞き取った地域住民や自治体関係者らの“生の声”を安倍政権にそのまま突きつけています。

 赤嶺政賢議員は、基地ゲート前(名護市)で米軍が抗議行動のリーダーを不当に拘束した問題を追及。自民党員の男性からは「誰が県民の味方か、誰が国民の味方かがよくわかる質問だった」との声が寄せられました。

 大震災被災者や被災自治体の声を代弁する高橋千鶴子議員。13日のしめくくり総括質疑では「集中復興期間」が終わる来年度以降も、復興予算は国が全額負担するよう強く主張。「遅々として進まない復興。どんどん質問して前に進めて」と激励の声が寄せられています。

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(写真)真島省三議員

 2日の予算委員会。真島省三議員は、愛知県内や福岡県の北九州市、直方市の町工場で行った聞き取り調査をもとに「賃上げどころじゃない」と苦しむ中小業者の声を代弁し、トヨタの下請けいじめを告発しました。

 統計データも使い追及する真島氏に対し、宮沢洋一経産相は「その辺の問題意識も私自身持っている」と答弁。麻生太郎財務相は、自身の地元・直方市がとりあげられたことで「(国会で)直方の名前が出たのはたぶん32年ぶり」「熱心で結構」と語り、その“現場力”を認めました。

 畠山和也議員は「家族経営を壊す改革は断念すべき」だと安倍政権の「農政改革」を批判しました。質問後、北海道東部の農協組合長を訪ね、質問内容を報告。資料を手渡すと組合長は「ここに書いてある通りです。家族経営を大事にしてほしいのだ」と共感しました。各地の農協関係者からも「共産党は、はっきりTPP(環太平洋連携協定)、『農協改革』反対を言ってくれて本当にありがたい」との声が寄せられています。

 田村貴昭議員は初質問(総務委員会)で、各地の自治体が取り組む住宅リフォーム助成制度が、国の交付金対象になりえるという政府答弁を引き出しました。さっそく福岡県糸島市の党議員が市に要望し、国の交付金の一部が助成にあてられることが実現しています。

 斉藤和子議員は、一つの教室を2〜3クラスで使用するなど教室不足が深刻な千葉県の特別支援学校の実態を示し、「しっかりとりくんでいく」という下村博文文部科学相の答弁を引き出しました。

 東海地震の震源域の真上にある浜岡原発の廃炉を政治決断するよう迫った島津幸広議員。「大地震と原発事故が重なる複合災害のときは、避難できない」との地元自治体関係者の声を紹介しました。「静岡県民の願いを届けてくれる国会議員だ」(ツイッター)との声が寄せられています。

政府の論拠崩し対案示す

“論理的だ”他党から

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(写真)派遣法改悪で追及する志位和夫委員長=2月20日、衆院予算委

 政府の論拠を突き崩し、対案を示して国民に展望を示す―。ここにも国会議員団の論戦力が発揮されています。

 安倍内閣が今国会で強行しようとしている労働者派遣法改悪案と「残業代ゼロ」法案。予算委員会で日本共産党のトップバッターとして質問に立った志位和夫委員長は、雇用大改悪の根幹部分に鋭く切り込みました。

 常用代替を防止する担保がなく正社員から派遣への大規模な置き換えが起こる、労働時間規制を撤廃する必要性もなく「過労死」がまん延すると追及。政府が持ち出す法案の論拠を総崩れにしました。

 「こういう質問は本来、民主党もやるべきなのだが、全然できていない。共産党がよくやっている」。地方紙の元論説委員もこう評価する志位質問。「2年前まで三菱樹脂に勤めていた。志位さんのおっしゃるとおりの実態でした」、「夫は大企業に勤めていて、本当に残業が多くて、過労だと思います。45時間の法制化はぜひやってほしい」など大企業のサラリーマン層や家族からも反響が寄せられました。

 今、パンフレット、ビラにもなって、労働組合への訪問活動にも活用されています。

 日本共産党の論戦は、安倍内閣の経済政策の失敗も浮き彫りにしました。宮本岳志議員は、消費税率を10%に引き上げた際の実収入に占める負担割合を初めて政府に公表させました。「産経」(2月24日付)は、「消費税の負担率は所得が低いほど大きくなる『逆進性』が改めて示された格好」と報じています。

 新人議員の質問力も注目されました。藤野保史議員は、原発の同時多発事故や集中立地のリスクを無視する原子力規制委員会審査のずさんさを鋭く告発。質問中に、他党議員から「ロジカル(論理的)だ」という合いの手が入るほど。傍聴者から「総選挙の遊説で、志位委員長が(藤野氏に)『即戦力』と太鼓判を押していた意味がよくわかった」との感想も寄せられました。

 自民党の若手議員がいいます。

 「自民党の1年生議員は、なかなか質問にたたせてもらえない。共産党がうらやましい。それだけでなく質問の中身もいい。やれば、いっぱしのことをいう」

提起に首相も「努力する」

政治を前に動かす

 政治を前に動かす成果も生まれています。元教員で参院議員だった畑野君枝議員の11年ぶりの質問も一例です。

 2011年に全会一致で実現した小学1年生の35人学級。しかし、2年生以降の法改定は安倍政権になって停滞していました。

 畑野氏は日本PTA全国協議会など関係団体の要望も紹介し、「少人数学級の実現は国民の声だ」と提起。首相は「さらに35人学級の実現に向けて努力したい」と明言しました。

 この論戦を生かし、日本共産党は小中学校全学年での35人学級実施を求める提言を発表しました。

 名古屋市などの大都市で深さ40メートル超の地下を通すリニア中央新幹線計画。事業主のJR東海が住民に、リニアが通る大深度地下の場合、住民の土地所有権がなくなるかのようなウソの説明をしている事実を暴露したのは本村伸子議員でした。

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(写真)本村伸子議員

 本村氏の追及で国土交通省も対応を迫られ、「正確で分かりやすい説明をするよう指導する」(藤田耕三鉄道局長)と答弁。JR東海はホームページの説明を変え、「大深度地下にも土地の所有権が及んでいる」と認めました。

 穀田恵二議員は沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ基地内に陸上自衛隊を常駐させる構想が検討されていると告発しました。この質問にざわついた委員会室。首相は「全く考えていない」と釈明したものの、構想が検討されているとの事実は否定しませんでした。

 「琉球新報」は穀田氏の質問を1面トップで紹介。社説でも取り上げるなど現地に衝撃が走っています。

 鹿児島県の離島・三島村への航路の拡充を要求し、「できるだけ要望に従いたい」との国交相の答弁を引き出した塩川鉄也議員。9日、国会にきた大山辰夫・三島村長が塩川室を訪ね、「村ができて以来、国会質問で村のことを取り上げられたのは初めて」との島民の声を伝えました。


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