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2015年3月10日(火)

きょうの潮流

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 戦後の児童文学を築いてきた松谷みよ子さんが亡くなりました。89歳。物心ついてから戦争の中で育った松谷さんは、よく「私の血の中には平和を願う気持ちが流れている」と語っていました▼戦争を描いた子どもの本を多く世に出し、「子どもの本・九条の会」の呼びかけ人にも。人間ある限り民話は日々生きて動くと現代の民話を集め、民の記録として数々の戦争体験を伝承してきました▼70年前のきょう、東京は火の海に包まれました。燃え盛る炎の中を逃げ惑う人びと。がれきと化した街に転がる黒焦げの焼死体、川を埋める無数の亡がら…。阿鼻(あび)叫喚の地獄でした▼焼け野原になった下町には惨状を伝える跡が残っています。旧墨田電話局跡にある「慰霊碑」。当時交換手として勤めていた20歳前後の女性たちは死んでも送受器を外すなといわれ、28人が男性職員3人とともに犠牲に。生き残った職員の言葉が刻まれた碑には「世界平和こそが最大、最高の幸につながる事を」と記されています▼いまや体験を語ることができる人たちは少ない。しかし自身も大空襲にあい、真相究明と記録に力を注ぐ作家の早乙女勝元さんは「人間には想像力がある。戦争とはどんなものか、継承していくことが私の使命」だと▼松谷さんも早乙女さんも語り継いでいくことに希望を託しました。戦災資料センターには体験者の話を聞いた小学生の感想があります。「戦争を二度としないためにも、話を聞いたぼくたちがこれからの未来を決めていくんだ」


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