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2015年2月15日(日)

“9の日”立って11年

神奈川・茅ケ崎 計394回、延べ5284人

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 1人でも最低10年間は駅頭に立つ(スタンディング)―。イラク戦争で自衛隊派遣が問題になった2003年12月29日、神奈川県茅ケ崎市の岡本棟守(むねもり)さん(72)は、JR茅ケ崎駅北口に立ちました。(遠藤寿人)


岡本さん“九条運動と原発ゼロ、合流が大切”

写真

(写真)スタンディングする左から岡本棟守さんと信子さんら

 「自分が住んでいる地元でどれだけ世論に働きかけられるか。市民一人ひとりが意思表示する本当の草の根の運動をつくりたい」との決意からです。

 この個人としての行動は「9の日スタンディング★ちがさき」と呼ばれ、毎月9、19、29日の午後5時から1時間だけ「夕食の支度に間に合うように」行われます。11年間、妻の信子さん(72)らと酷暑でも台風でも、一度も欠かさずに、スタンディングした回数は394回。参加人数は延べ5284人になりました。

 2011年3月、東京電力福島第1原発事故が起こりました。岡本さんは「原発のない社会&九条がある社会を次の世代に残そう」を合言葉に「九条運動と、脱原発運動とが『合流』することが大切だ」と力を込めます。

若い世代の接近

 スタンディングの年間参加者は11、12年度は300人台に減少しましたが、13年度は680人、14年度は590人に増えました。その背景は「憲法問題は身近に感じられなかった若い子育て世代が、放射能の問題を敏感にとらえ、この行動に『接近』してきたこと、加えて、12年の自民党の政権復帰とその後の急速な右傾化への『危機感』がある」と言います。

 岡本さんは「原発と原爆は同じ技術を使用する点で『同根』。原爆は、憲法9条2項がいう戦力の最悪のもの。原発をなくす運動は9条を実現する運動につながり『同趣旨』」と説明します。岡本さんは仲間たちとともに、25日に映画「日本と原発」の上映会を開催します。

 このスタンディングは誰でも、短時間でも、自由に参加できます。激励や見学だけでも歓迎されます。

 「輝け!憲法9条」「原発ゼロ」「秘密法廃止」などのプラカードや、戦争“放棄”を意味する「ほうき」を持って静かに立つ…。シンプルな行動は、ネットや口コミなどで広がり、賛同者が遠方からも訪ねてきました。また、9の日には必ず実施されることから、市民の情報交流の場にもなっています。

マイク握らずに

 「あなた、憲法九条を変えられて戦争にいきますか?」の垂れ幕を作った“九条おばさん”と呼ばれる70代の女性について、信子さんは「マイクを持って訴えるような人ではないけれど、署名の趣旨を丁寧に説明して、通りがかりの、何のつながりもない人たちを『九条の会の賛同者』として迎えているのよ」と話します。

 集団的自衛権行使容認の閣議決定後は「スーツを着た年配の男性も署名しています」という岡本さん。「『テロに屈しない』とはテロがなぜ起こるのかを考えさせない意図的な宣伝。乗せられてはいけない」と話します。岡本さんは3月11日、ネットでつながる「全国一斉スタンディング」を友人たちとともに呼びかけています。


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