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2015年2月11日(水)

「新オレンジプラン」 病院関与強調、現場に驚き

国民参加の認知症ケアこそ

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 1月末に政府が発表した認知症施策の「新オレンジプラン」で、精神科病院の関与が大きくなるように当初案が変更された問題。長年、地域で認知症の医療とケアにとりくんでいる首都圏の開業医師は「精神科病院等の『司令塔機能』が重要、などと強調されて、とても驚いている。劇的な変更で大きな問題を含んでいる」と指摘します。

 日本は世界に例を見ないほど精神科病床と長期入院患者が多く(1年以上が20万人超)、精神科病院に入院している認知症患者は約5万3000人に上り、うち約3万人は1年以上の長期にわたるとされます。

 2000年代の早くから認知症の国家戦略をもち、取り組みを強めてきた欧州諸国では、実践の積み重ねから「認知症は初期からの適切なケアがあれば多くが在宅で暮らせる」と、住み慣れた地域で暮らせるよう早期診断・早期支援を土台に、認知症にやさしい地域づくり、サービスの提供を目ざしています。

 13年に海外5カ国の認知症政策責任者らが参加し東京で開かれた政策シンポジウムで、デンマークの代表は「精神科の治療はほとんどが外来」と報告、各国とも「入院はあってもわずか」とのべ、注目されました。

 新プランは、昨年11月に東京で開かれた認知症の国際会議で安倍首相が「国家戦略」の策定を表明。重要な施策にもかかわらず、国民への意見公募(パブリックコメント)もなくまとめられました。

 先の開業医師は「当初案の変更に、病院団体の意向を受けた自民党議員らの巻き返しがあったとされる、との報道もある」と指摘。「各界や医療・介護など現場の声をくみ上げ、国民的な議論を行って当初案からの逆行を正し、国民参加の認知症医療・ケアに発展させることが必要だ」と話しています。

 (西口友紀恵)


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