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2015年1月31日(土)

中南米カリブ海諸国共同体が首脳会議

極貧層解消 5年内に

エクアドル大統領提案

政治宣言採択

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 【ベレン(コスタリカ)=松島良尚】中米コスタリカの首都近郊ベレン市で開かれていた中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)第3回首脳会議は29日、貧困とのたたかいを中心テーマとする「ベレン政治宣言」(要旨別項)と2015年の行動計画および27の特別決議を採択して閉幕しました。


 「宣言」は、貧困や飢餓、格差の解決は「持続可能な発展にとって不可欠な要件」だとして、経済政策や教育、医療分野など多面的な取り組みを各国および地域全体で行うことを強調しました。

 コスタリカから議長国を引き継いだエクアドルのコレア大統領は、貧困問題について、極貧層の解消を「道義的な絶対的必要性」だと指摘し、5年以内に達成することを提案。現代の貧困は、富や資源の不足に問題があるのではなく、格差や不平等に問題があるとの認識も示しました。

 国連中南米カリブ経済委員会の年次報告によれば、この地域の貧困削減は2005年から12年まで急速に前進したものの、それ以降は停滞。14年の極貧層は12年の11・3%から12・0%へと約500万人増加。極貧を含む貧困層はこの3年間ほとんど変化せず、28%となっています。

 同委員会は、その主な要因として世界経済の低迷の影響をあげ、社会政策の強化を呼びかけています。

 また、コレア大統領は、CELACは中南米カリブ海諸国民の「統合に全力をあげる」と表明。そのうえで社会発展の歴史が示す根本問題は「少数のエリートか大多数の国民か、資本か人間か、市場か社会か」のどちらを重視するかにあると強調しました。

 ベレン政治宣言(要旨)

 (1)公正で持続可能な発展の共同構築 多面的、総合的なやり方で貧困克服に取り組む。腐敗を防止、摘発する機構を強化する。

 (2)世界規模の発展計画への参画 地域の合意や共同の立場を促進させる。

 (3)気候変動と温暖化への対処 国連持続可能な開発会議(リオ+20)での合意を改めて誓約する。

 (4)持続可能な発展のため平和を促進 政治経済機構の形態を選ぶ各国の不可侵の権利を尊重する。核兵器禁止条約に向けた交渉を支持。

 (5)他の友好的地域との結びつき強化 世界的な課題に関する立場を普及、共有し、地域間の行動と論議に資するため、他の国々や諸国グループなどとの対話を促進する。

 (6)共同の組織化と行動の連携 途上国間の「南南協力」を促進する。国際的なアジェンダに関する政府間対話を促進する。

 (7)当面の行動 エネルギーや移民、麻薬などの問題に取り組む。議長国は、エクアドルに続いてドミニカ共和国(2016年)、ボリビア(17年)が担う。

キューバ経済封鎖 解除の声相次ぐ

 【ベレン(コスタリカ)=松島良尚】中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)第3回首脳会議では、国交回復を目指す米・キューバの交渉を歓迎するとともに、米国による対キューバ経済封鎖の解除を求める声が相次ぎました。

 チリのバチェレ大統領は、米・キューバの関係正常化によって「この地域に新たな視野が広がる」と歓迎しつつ、「完全な関係正常化とは封鎖の解除まで踏み込むものだ」と指摘しました。

 ブラジルのルセフ大統領は、米・キューバの関係正常化によって「冷戦がこの地域に残した災いの撤去がようやく始まる」と述べ、そのプロセスをCELACが全面的に支援するのは疑いないと強調しました。

 キューバのラウル・カストロ国家評議会議長は、今回の変化の背景として、長期にわたるキューバ国民のたたかいがあったことや、CELAC諸国民と各国政府の「確固とした勇気ある封鎖解除の要求」などをあげました。同議長はまた、米政府との交渉にあたって、内政不干渉や対等平等などの原則を堅持する立場を改めて表明しました。


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