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2015年1月21日(水)

笹子トンネル事故訴訟

安全軽視の簡略点検に“要領通り。ミスはない”

中日本側 無反省

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 笹子トンネル天井板崩落事故で死亡した5人の遺族らが中日本高速道路などに損害賠償を求める裁判の証人尋問が20日、横浜地裁(市村弘裁判長)で行われました。遺族らが「後世に、同種の事故を起こさせないための警鐘を」と訴えるなか、中日本側の証人らは「事故は予想できなかった」とのべるなど、無反省ぶりを浮き彫りにしました。


写真

(写真)裁判所に向かう遺族ら=20日、横浜地裁前

 中日本側から証言したのは八王子支社の善田健一副支社長と子会社の中日本ハイウェイエンジニアリング東京の大鐘俊夫土木管理部長です。

 焦点は、事故発生(2012年12月)の直前、同年9月に行われた笹子トンネルの点検計画の変更です。

 当初の点検計画は、足場を使って事故の原因となった天井板のアンカーボルトを作業員が間近でみるもの。

 ところが中日本とエンジ社は7月、足場を使わず、最大で3メートル下から懐中電灯で目視するだけの点検に変更しました。点検日数も10日から6日に短縮し、体制も、のべ90人がのべ42人に縮小されました。この簡略化で経費が9600万円節減できたといいます。

 3メートル離れた場所からみることを「近接目視」と主張する善田副支社長は「(点検方法を定めた)要領にのっとって実施した点検なので、ミスはない」という説明に終始しました。

 点検の具体的な変更内容を知っていたのか問われると、「(点検内容が)どこがどう変わったか審査していない」と答えました。

 エンジ社で点検計画を了承した大鐘部長も「3メートル離れても目視で十分だった。双眼鏡はより詳細にみるためのもの」とのべ、足場を使った点検をしても「事故を防げたという認識はありません」と語りました。

 米国で06年に起きた天井板崩落事故の情報についても、両氏とも笹子事故が起きるまで知らなかったと証言するなど、中日本の安全対策への関心の薄さが明らかになりました。


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