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2015年1月20日(火)

「グレーゾーン」事態対応

自衛隊出動手続き 電話「閣議」で決定

政府が検討

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 政府は「武装集団の離島への上陸」などを例に、武力攻撃に至らない「グレーゾーン」事態に迅速に対応するため、自衛隊出動を電話による「閣議」で決定する方法の検討に入りました。全閣僚が集まる閣議を経ずに電話で閣僚の口頭同意を取り付け、自衛隊の出動を短時間で決定する狙いで、事実上、首相の専権決断・内閣の「事後承認」が拡大する危険があります。

 集団的自衛権行使容認の「閣議決定」(昨年7月1日)で、政府はグレーゾーン事態での自衛隊への発令手続きの「迅速化」を打ち出しました。具体的には、漁民に偽装した国籍不明の武装集団の離島上陸や、外国軍艦船による日本領海内への侵入などが想定されています。

 警察や海上保安庁では対処できない事態での自衛隊の出動は自衛隊法で、日本が武力攻撃を受けたときに実力行使する「防衛出動」のほか、警察権による「治安出動」や「海上警備行動」が定められていますが、いずれも事前に閣議を開き、決定する必要があります。

 緊急性の高い場合は、閣議を開かずに閣僚の署名を個別に集める「持ち回り閣議」を行うこともありますが、今回、閣僚が東京都外にいる場合やグレーゾーン事態が深夜、未明に発生することを想定し、自衛隊の出動決定を迅速化するものです。電話閣議の導入には法改正の必要はなく、手続きを定めた閣議決定を新たに行うことで対応できるとされます。

 しかし、国家安全保障会議(日本版NSC)、外務・防衛両省と米国が情報を独占している状況のもとでは「緊急性」の名の下に、内閣の判断が形骸化し、首相の専権決断を優先し、事後承認が拡大する危険があります。

 また、外国軍隊との対峙(たいじ)に至らない状況のもとで、何より必要なのは外交的対応と平和的緊張解決の努力であり、自衛隊の出動手続きの簡略化を急ぐことに重点を置く姿勢は、憲法9条の精神に反するものです。


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