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2015年1月20日(火)

きょうの潮流

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 昨今の世の中を見るにつけ、思いをめぐらせた映画を二つ。公開中の「ジミー、野を駆ける伝説」。1930年代のアイルランドを舞台に自由の風を吹かせた実在の人物を描きます▼権威的な教会や強欲な地主から抑圧される庶民、希望を失った若者。そこに一人の活動家が帰郷し、コミュニティーホールを再生します。分け隔てなく集い、学び、踊る老若男女。しかしそれを快く思わない勢力が動き出します▼監督は社会派のケン・ローチ監督。いま世界中が「自由を守れ」と叫ぶなか、自由な人間とは、生きる喜びとは、を問いかけます。迫害される主人公を自転車で追いかける若者の姿に希望が託されます▼今週末に公開される「おみおくりの作法」。テーマは“孤独死”です。主人公はロンドンの民生委員。彼の仕事は一人きりで亡くなった人を弔うこと。手がかりから身寄りを見つける、故人にあった葬礼を選んで弔辞を書く、葬儀に参列する。それが彼流の作法です▼仕事の枠をこえ、どんな死者に対しても敬意をもって誠実に向き合う。厳しい現実を描きながらも、心温まる気持ちに。この作品は実際に孤独死の葬儀を手配する人を紹介した新聞記事から生まれました▼なぜ、こんなにも大勢の人が最期はひとりぼっちになってしまうのか。阪神・淡路大震災20年で改めて孤独死が取り上げられ、独居老人600万ともいわれる今の日本。孤独とは、死とは、地域社会とは―。思いがこみ上げてきます。人間の尊厳を取り戻さなければ。


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