2015年1月18日(日)
阪神・淡路大震災20年 復興に遠く
空き店舗 人通り閑散
長田の再開発区域を歩く
阪神・淡路大震災から20年の17日、壊滅的な被害だった神戸市長田区の新長田駅南「復興」再開発区域などを歩く「長田メモリアルウオーク」(実行委主催)が行われ、全国と地元から120人が参加しました。
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同再開発は「復興」の名で神戸市が被災住民に押しつけ、下町をビル群に変えたもの。ビルの商業スペースは地下、1階、2階と“3層構造”です。
3コースに分かれてウオーク。地下商店街を歩くコースでは、いたるところにシャッターが下りた空き店舗があり、人通りはほとんどありません。引率したスタッフが「人通りは、一部を除いて常にこういう感じです。商店は、入ってもすぐ出ていく」と説明すると、一行は驚いていました。
昨年、東大阪市から神戸市中央区に移住した男性(25)は「地下街に商店が入らない現状は、復興とはほど遠いとわかった」と話します。
またスタッフが「共益費が高く、裁判まで起きている。ここに入っている特養ホームは共益費が月百数十万円。福祉施設ということで減額されて、それです」とのべると、参加者からどよめきが起きました。
再開発区域の周囲の商店街や地域でも、空き店舗と更地が目立っっていました。
一方、長田ゆかりの漫画家、横山光輝さんにちなんで「三国志」の登場人物の像や絵を街にちりばめるなど地元商店が集客の努力をしており、この日もコンサートなど多彩な復興イベントを行っていました。
香川県三豊市から来た男性(61)は「4、5年前に来たとき、シャッターばかりの商店街でびっくりしたけど、今もあまり変わっていない。残念です。活気が出る仕組みを行政がつくっていないのでは。怒りを感じる」と話していました。