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2015年1月7日(水)

きょうの潮流

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 こんなエピソードがあります。ある原発の宣伝をしている電力館を見学した小学生が質問しました。説明員から、原発の燃料ウランは五重の壁に囲まれているから安全だと聞いた後です▼燃料棒や圧力容器といった一つ一つの“壁”について、それが壊れたらどうなりますか、とたずねていきます。そして、最後の壁となる建屋が壊れたらと聞くと、その説明員は怒り出し、「建屋は壊れません!」と言ったといいます▼宇宙物理学者の池内了(さとる)さんが、自著『核を乗り越える』のなかで紹介しています。これまで原発は安全であると信じ込まされてきた私たちへの警鐘をこめ、子どもの方が安全神話にとらわれていなかった、思考停止になるな、と▼昨年、新潟にある柏崎刈羽原発の見学会に参加しました。東京ドーム90個分の広大な敷地を車で一周。海抜15メートルの防潮堤、電源車や消防車の配備など、いかに万全な対策をとっているかという説明が延々とつづきました▼きのう東電の社長が同原発の地元を訪れ、安全性をPRするために住民見学会を提案しました。再稼働に向けた地ならしですが、そこには、いまも収束の見通しさえつかず、ふるさとを追われた住民の苦しみがつづく福島原発事故への反省も痛みも感じられません▼池内さんは先の著書で問いかけます。ヒロシマ・ナガサキ、ビキニ事件、そしてフクシマと三度まで核の災厄を背負った日本は、ほんらい核廃絶の先頭に立つべきではないのか、負の遺産を未来に押し付けるのか、と。


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