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2015年1月4日(日)

2015年外交展望

戦後70年 「戦争する国」づくりの転換を

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 曲がりなりにも「平和外交」を掲げてきた戦後日本の歩みを根本から否定し、再び「戦争する国」への道を進もうとしている安倍政権。戦後70年を迎える今年は、その転換が求められます。


■武器輸出

表:今年の主な外交日程

 「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交を進める」「7月の閣議決定に基づき、切れ目のない安全保障法制の準備を進める」―。安倍晋三首相は第3次内閣発足を受けての記者会見(昨年12月24日)でこう述べ、これまでの外交・安全保障政策の継続を表明しました。

 首相は50カ国に達する外遊先の多くで原発・武器売り込みの「トップセールス」を展開。原発輸出を「成長戦略」の一環として位置付け、国内での原発再稼働と一体で進めようとしています。

 昨年4月に閣議決定した「防衛装備移転三原則」に基づき、紛争当事国も含めて武器輸出を拡大する方針です。日本の「平和国家」ブランドを大きく損ねる行為です。

 また、政府・与党は1月下旬からの通常国会を「安保国会」(自民党・谷垣禎一幹事長)と位置づけ、5月以降にガイドライン(日米軍事協力の指針)再改定を行うとともに、関連法案を提出。「戦争する国」づくりは重大な岐路を迎えます。

 新指針は、集団的自衛権の行使容認の「閣議決定」を反映。地理的な限定も、「非戦闘地域」という自衛隊の活動領域の限定もなくし、自衛隊が米軍とともに、地球規模で戦地派兵する仕組みを狙っています。

■近隣外交

 安倍政権の「戦争する国」づくりと、侵略戦争肯定の動きは一体のものとして国際社会に懸念を与え、とりわけ、近隣外交に障害をもたらしてきました。

 昨年11月に北京で開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議で習近平主席と2年半ぶりに日中首脳会談が実現しましたが、尖閣諸島の領有権問題や首相の靖国神社参拝など日本の侵略戦争美化の問題は未解決です。

 一方、日韓首脳会談は実現していません。

 安倍首相は今年8月の「戦後70年談話」に関連して、「慰安婦」問題で日本軍の関与と強制性を認め謝罪した「河野談話」(1993年)を継承すると述べていますが、自民党の萩生田(はぎうだ)光一総裁特別補佐は「(河野談話は)新談話を出すことによって骨抜きになる」と発言(昨年10月6日)。国際社会の信用を決定的におとしめる危険があります。

■沖縄と日米

 歴代政権が外交・安保政策の骨格に位置づけている日米同盟に痛打を与えたのが、「辺野古新基地断固阻止」を掲げた翁長雄志知事の誕生や、総選挙の4小選挙区で翁長知事を支える「オール沖縄」勢力の完勝など、昨年の沖縄県での一連の選挙結果です。

 米議会調査局は昨年8月、翁長氏の勝利を予見し、「県知事は(新基地のための)埋め立て承認の権限を持っている。次期知事は、仲井真県政(当時)による埋め立て承認を取り消すだろう」との報告書を提出。新基地建設が困難になるとの見通しが、現実のものになりつつあります。

 翁長氏は今春に訪米し、沖縄の民意を伝えます。安倍政権は新基地推進の姿勢を変えていませんが、状況が一変したのは事実です。本土の世論も盛り上げ、4月下旬〜5月上旬の大型連休を軸に調整している日米首脳会談までに、両政府に辺野古新基地を断念させる運動が求められます。

 日米首脳会談では、日本の農業と医療を破壊する環太平洋連携協定(TPP)をめぐる交渉も重大な局面を迎えることが想定されます。

■9条の精神

 安倍首相は第3次内閣発足にあたり、憲法9条改悪について、「自民党の結党以来の目標」「歴史的なチャレンジ(挑戦)だ」と強い意欲を示しました。

 一方、日本共産党は総選挙で「憲法9条の精神に立った平和の外交戦略」を掲げ、「北東アジア平和協力構想」を示し、21議席に躍進しました。

 昨年のノーベル平和賞候補に憲法9条がノミネートされ、人々に希望をもたらしました。9条を具体化した平和外交こそ、日本国民や国際社会の多数が求めている道です。


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