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2014年12月27日(土)

比イスラム武装勢力が新党

和平プロセス新局面

結成式に10万人

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 【ハノイ=松本眞志】フィリピン南部のミンダナオ島で活動するイスラム武装勢力「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」のムラド・イブラヒム議長は24日、新政党「統一バンサモロ正義党(UBJP)」の結成を宣言しました。


 武装組織から政治組織への発展の動きは、約40年間続いてきたミンダナオ島の紛争を終結させ、安定化へと向かう和平プロセスの重要な局面となります。

 現地からの報道によると、同日、MILFの拠点ダラパナンで新党の結成式が行われ、武装メンバーや支持者らおよそ10万人が参加しました。

 新党の書記長に選出された、MILFのサミー・アルマンスール参謀長は、「MILFが武装革命組織から平和と発展のためにたたかう政治組織へと発展する第一歩だ」と表明しました。

 MILFは今年3月、フィリピン政府との間で包括和平文書に調印しました。フィリピン議会は2015年にバンサモロ基本法案を可決するとみられ、可決後は現在のイスラム・ミンダナオ自治区はバンサモロ自治政府へと移行します。

 一方、和平プロセスに反対する一部の勢力も存在しており、それらとの和平合意の問題も残されています。

 地元紙マニラ・ブレティンは、包括和平合意に続く今回の新党結成の動きに、「MILFにとって恒久平和のための2番目の試みとなる」と強調。「MILFと政府との交渉において今年は最も実りある年となる」と評価しました。

3月に政府と和平合意

 フィリピン南部のミンダナオ島には、全国民の5%とされるイスラム教徒の多くが居住しています。

 16世紀にフィリピンを植民地化したスペインは、キリスト教を普及する一方で、イスラム教徒を「モロ」と呼んで差別。米国の植民地支配下でも、フィリピン独立後も差別を受けてきました。

 1970年に分離独立をめざすモロ民族解放戦線(MNLF)が結成され、96年には和平に合意します。MILFは78年に和平交渉を拒否してMNLFから分離し、武装闘争を継続しました。

 MILFは今年3月、比政府と包括和平文書に調印。▽2016年にバンサモロ(イスラム教徒の国の意味)自治政府を創設▽石油などの天然資源の収益は自治政府と中央政府で折半▽鉱物資源は自治政府が75%、中央政府が25%を所有▽MILFの武装解除と警察組織への編入―などを定めた「バンサモロ基本法」を制定することで合意しました。

 (ハノイ=松本眞志)


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