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2014年12月24日(水)

チュニジア大統領選 カイドセブシ氏当選

世俗派が勝利 正式政府 焦点に

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 【カイロ=小泉大介】チュニジア選管は22日、前日に実施された大統領選決選投票の暫定結果として、世俗派政党「チュニジアの呼び掛け」のカイドセブシ党首(88)が55・68%を獲得し、マルズーキ暫定大統領(69)に勝利したと発表しました。2011年初めの「革命」でベンアリ独裁体制が倒れた同国は、新たな国づくりに本格的に乗り出すことになります。


 カイドセブシ氏が率いる「チュニジアの呼び掛け」は、10月の議会選挙(定数217)で85議席を獲得し第1党となりました。同氏が大統領選挙第1回投票(11月23日)で獲得した得票は39%でしたが、決選投票では第1回投票で敗退した他の世俗派候補・組織の一部支持も得たとみられます。

 チュニジアでは「革命後」の11年10月の制憲議会選挙でイスラム主義組織アンナハダが第1党となり、同組織主導の暫定政府が発足。しかし国家の「イスラム化」を懸念する世俗派勢力と激しく対立し、「チュニジアの呼び掛け」はその過程で結成されました。

 カイドセブシ氏はベンアリ時代に国会議長などを務めた経歴を持ち、「旧体制派」との批判も出ました。決選投票で同氏に投票した首都チュニスの女性医師、ナルジェス・ジャワディさん(32)は、「狂信的なイスラム過激派から国を守るため、政治活動が長く哲学を持っているカイドセブシ氏を選んだ。もし彼が旧体制を復活させようとすれば、国民は再び立ち上がるだけだ」と語りました。

 マルズーキ氏は人権活動家でベンアリ時代に弾圧された経験があり、大統領選では「革命」派の政治家像を全面に掲げました。しかし暫定政府で連立したアンナハダの実質的支持を受けたこともあり、世俗派有権者に浸透しきれませんでした。

 カイドセブシ氏は勝利しましたが、前途には国民和解をはじめさまざまな課題が待ち受けています。

 「革命」の発端となった青年の焼身自殺が起きた中部シディブジドで、最後まで悩んだ末にマルズーキ氏に投票したという女性、オムニヤ・ムバラクさん(23)は、「私は大学を卒業したのにまったく職がない。暫定政府のもとで経済は悪化したが、だからといって独裁体制に戻ることは絶対に許せない」といいました。

 当面、議会第1党に加えて大統領の座も獲得した「チュニジアの呼び掛け」にとって試金石となるのが、正式政府樹立に向けた取り組みです。世俗派中心の連立か、あるいは第2党のアンナハダ(69議席)を含む大連立かが焦点です。


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