2014年12月12日(金)
きょうの潮流
暮れなずむ京の町。紅葉の盛りもすぎ、うら寂しいこの時期は日が暮れかけた頃に趣を感じます。とはいえ、修学旅行の学生や海外からの観光客らでにぎわう光景は変わりません▼古きを温(たず)ねて新しきを知る。日本の歴史と文化が、いまに息づく古都は進取に富んだ街でもあります。伝統と革新。古くからの家々が残る一方で若者も多い。異文化に対しても寛容を示してきました▼“日本の夜明けは京都から”。政治の舞台でも激動の中心だった地がそういわれ始めたのはいつからか。60年代、革新勢力の盛り上がりとともに民主府政・市政が前進。日本共産党も68年参院選の2人区で当選し、72年の総選挙では5人区で2人を通す快挙を遂げました▼「日本を動かす革新・民主の大きなうねりが起こるたびに、その先頭に立つという、輝かしい歴史を刻んできた」。四条河原町の辻(つじ)を埋めた不破さんの演説。このスローガンは、京都の勢いを全国にひろげる合言葉になってきた、と▼京都1区でこくた恵二さんを当選させ、伝統の力をみんなでよみがえらせよう―。不破さんの訴えに、「がんばるぞ」と声を上げる年配者たち。「安倍政治の危険性がわかった。私もまちがった政治をただすために行動したい」と話す24歳の大学院生。「勇気をもらった。京都の底力を示し、勝ち抜きたい」と候補者▼いま国民多数の願いを背に、日本の夜明けをつくる好機は京都だけではないでしょう。北海道から沖縄まで。全国で新しい地平を切り開くときです。