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2014年12月1日(月)

エジプト元大統領の「無罪」判決

若者 数千人抗議

“旧体制に逆戻りさせない”

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 【カイロ=小泉大介】エジプトの首都カイロの裁判所が11月29日にムバラク元大統領に事実上の無罪判決を下したことに対し、若者らが厳しい反発の声を上げています。同日夜には、2011年初めの「革命」の主要舞台となった首都中心部のタハリール(解放)広場近くで数千人以上が抗議デモを決行。治安部隊による催涙ガス弾や放水での弾圧で1人が死亡し、8人が負傷しました。


弾圧で9人死傷

 約30年にわたり独裁体制を敷いたムバラク元大統領は「革命」により退陣しましたが、その際、デモに参加した若者ら約850人が治安部隊の弾圧で命を落としました。ムバラク氏には、殺害に関与した罪で12年6月に終身刑判決が下されたものの、昨年1月に上訴審で裁判やり直しが決定。今回、起訴手続きに不備があったとして裁判の無効が言いわたされました。

 検察側は上訴する見込みであることや、ムバラク氏が今年5月に別の公金横領の罪で禁錮3年の判決を受けていることから、病気を理由に現在、拘置されている軍病院から直ちに釈放されることはないとみられます。しかし同氏は、今回の判決後、地元メディアに対し「私は何も間違ったことはしていない」などと述べており、反発の広がりは必至です。

 「革命」時の弾圧で弟を失った男性アフメド・サイドさん(31)は、裁判所の前で判決を見守りました。「裁判長はムバラク氏に殺害の責任はないとしましたが、弟たちは自ら命を絶ったとでもいうのでしょうか」と憤ります。「エジプトを旧体制に逆戻りさせるような判決は許せません。われわれは革命を継続するため、再び街頭に繰り出します」と力を込めました。

 「革命」で主導的役割を果たした青年組織「4月6日運動」の男性幹部モハメド・カマル氏は「判決は政治的動機に基づいたものであり、われわれをさらなるたたかいに向かわせるものだ」と強調。会社員の女性ナフラ・カリファさん(27)も「革命前は多くの人がムバラク体制を倒すことなど無理だといいましたが私たちは達成しました。新たな抑圧体制を許さないたたかいも最後には必ず成功するでしょう」と語りました。


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