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2014年11月25日(火)

日本共産党の路線、理念、歴史を丸ごと理解していただく活動を

党創立91周年 志位委員長の記念講演から

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 来月2日の総選挙公示を前に、安倍政権にきちんと対決してほしいという思いから、「今度は共産党かな?」という注目や関心が広がっています。同時に、対話などのなかで、「でも共産党は…」という疑問がだされることも少なくありません。こうした疑問にこたえて、日本共産党の路線、理念、歴史を丸ごと理解していただく活動が重要になっています。志位和夫委員長は、昨年の参院選での躍進を受けた党創立91周年記念講演会(2013年8月10日)で、党躍進を本格的な流れにしていくうえで、この活動が重要であることを強調。よく出される二つの疑問―「日本共産党は、旧ソ連、中国と同じではないか」「日本共産党が党名を変えないわけはなぜか」に答える形で、党の立場を明らかにしました。この部分を再録します。


 第二の努力方向は、日本共産党の路線、理念、歴史を丸ごと理解していただく活動を、日常不断の活動として強めることであります。

「綱領を語り、日本の前途を語り合う集い」を日本列島のすみずみで

 さきほど、テレビ東京の番組に出演した話をいたしましたが、この番組では共産党に投票した有権者に、その理由を聞いたVTRが流されました。「一番まとも。頑張ってほしい」という声から、「(主張が)通る、通らないは別として、(自民党に)強く言ってくれる党といったらここしかない」という声、さらに、「(共産党は)好きではないけれども、こちら(自民党)が勝ち過ぎたらいけないから」という声までありました。

 番組ホストの田勢さんから、「『共産党は好きじゃない。だけどもう期待できるのは共産党だから入れるんだ』という人も相当、いるような気がしますよね」と。こう問われて、私は、「いらっしゃると思います」「そういう方々にはですね、今度は共産党を丸ごと好きになってもらうような努力はしていきたい」とお答えをいたしました。(笑い、拍手)

 「共産党を丸ごと好きになってもらう」といった場合に、その一番の土台になるのは、私たちの綱領がさししめす日本改革の方針――異常な「アメリカいいなり」と大企業・財界の横暴な支配を打破して、日本の本当の独立と、政治・経済・社会の民主主義的な改革を求める声を、国民多数の声にしていくための努力であります。

 そのために、私たちは、新しい情勢のもとで「綱領を語り、日本の前途を語り合う集い」を大中小の規模で、日本列島のすみずみで網の目のように開いて、私たちも直接それに参加いたしまして、多くの国民のみなさんとひざを突き合わせて語り合っていくとりくみを、大いに発展させていく決意であります。(拍手)

「日本共産党は、旧ソ連、中国と同じではないか」という疑問にたいして

 私たちは、このとりくみのなかで、国民のみなさんのさまざまな疑問にこたえて、党の丸ごとの姿――全体像を縦横に語っていきたいと思います。きょうは、よく出される二つの疑問について、お話しさせていただきたいと思います。

 一つは、「日本共産党は、旧ソ連、中国と同じではないか」という疑問であります。

 旧ソ連については、スターリン以来の横暴な覇権主義――日本の運動への干渉、チェコスロバキアやアフガニスタン侵略などに対して、日本共産党は、「こんなやり方は社会主義とは縁もゆかりもない」と頑強にたたかい続けた自主独立の党であります(拍手)。スターリン以後の旧ソ連のような、「社会主義」の看板を掲げながら、人間の自由を抑圧し、他民族の自由を抑圧する暴圧の再現は、絶対に許さないというのが、日本共産党の確固とした立場であります。(拍手)

 それでは中国はどうか。私たちは、いまの中国を“社会主義に到達した国”とは見ておりません。中国では、「社会主義をめざす新しい探究」がおこなわれていますが、そこには「政治上・経済上の未解決の問題」がたくさんあります。私たちは、それらの問題については、節度を守りながら、節々で、いうべきことを率直に先方に伝えてきました。

 たとえば1998年7月、日中両党関係を回復した最初の会談で、当時の不破哲三委員長は、「言論による体制批判にたいしては、これを禁止することなく、言論で対応するという政治制度への発展を展望することが、重要だと考えます」と表明しています。中国指導部に対して、将来の政治制度の問題について、率直に意見を伝えた党というのは、私は、日本共産党以外にないと思います。(拍手)

 最近では、尖閣諸島問題で、2012年9月、私は、駐日中国大使と会談し、日本の領有の正当性を主張するとともに、日中双方が、物理的対応の強化や、軍事的対応をきびしく自制し、冷静な外交交渉によって解決することが重要だという立場を伝えました。この問題でも、こうした理性的で冷静な活動をおこなっているのは、日本共産党だけだと考えております。

 日中両国、日中両国民の友好関係を願いつつ、節度を守りながら、言うべきことは先方に率直に言う――これが日本共産党の立場であるということを強調したいと思います。(拍手)

 日本の未来の問題について言えば、私たちは、綱領のなかに、「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」という確固とした方針を明記しています。

 さらに、綱領では、「『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる」ことも明記しています。

 いま、中国・ベトナム・キューバなどでは、旧ソ連型の政治体制――すなわち共産党に特別の指導的地位を認めるという体制をとっておりますが、日本では未来にわたってそのような体制は絶対にとらないことを、日本共産党は、綱領できっぱりと宣言しているのであります。(拍手)

「日本共産党が、党名を変えないわけはなぜか」という疑問にたいして

 さてみなさん、いま一つは、「日本共産党が、党名を変えないわけはなぜか」――よく出される疑問であります。

 私は、選挙後、TBSテレビの「情報7days」という番組に出演する機会がありました。「○」と「×」の札で一連の質問に答えるというインタビューを受けました。

 その一つに、「共産党という名前で損をしていると思っていますか」という質問があったのです。私は、もちろん「×」の札をあげました。理由を問われまして、「私たちの名前は、ぶれない、筋を通すということの象徴なのです。ころころ変える政党では信頼できないでしょう」とお答えいたしました。そうしますと、スタジオでコメンテーターをやっていた教育学者の斎藤孝さんが、「名前はやっぱりアイデンティティーだから、ころころ変えると危険な面もありますね。社会党が名前を変えて社民党になってしまうと、どこか一貫性が欠けていると思われてしまう。老舗というのは名前を変えないほうが成功するといえますね」(拍手)というコメントをのべていました。どうやら納得していただけたようであります。(笑い)

 いま多くの党が、党をつくったり壊したり、くっついたり離れたりというなかで、名前を変えないことが日本共産党の一貫した姿を象徴するものとなっているのではないでしょうか。(大きな拍手)

 そのうえで私は、さらに二つの点を強調したいと思います。

 第一は、日本共産党という名前は、党をつくって91年、「反戦平和」「国民主権」の旗を命がけで守り抜いてきた、不屈の歴史と固くむすびついているということであります(拍手)。私は、今日の情勢のもとで、この歴史は輝きを増していると思います。

 この間、安倍首相による「村山談話」見直し発言、麻生太郎副総理によるナチズム肯定発言など、過去のファシズムや侵略戦争を肯定する歴史逆行の動きがあいついでいます。安倍首相は、「価値観外交」なるものを標榜(ひょうぼう)しておりますが、国際政治のうえで「価値観」を問題にするならば、何よりも過去の日本とドイツとイタリアによるファシズムと侵略戦争を断罪し、二度と繰り返してはならないとする「価値観」こそが、体制のいかんを問わず人類共通の「価値観」ではないでしょうか(拍手)。この「価値観」を覆そうという歴史逆行の立場に立つものは、国際政治に参加する資格はないということを強調しなければなりません。(大きな拍手)

 こうした流れとは対照的に、日本共産党は、戦前の暗い時代から、この人類共通の「価値観」の側に立って不屈にたたかい続けてきた党であり、日本共産党という党名は、多くの先人の不屈のたたかいが刻み込まれた名前であるということを、私は心から訴えたいと思うのであります。(大きな拍手)

 第二に、私たちは、人類が将来、資本主義のさまざまな矛盾をのりこえて、未来社会――社会主義・共産主義社会にすすむことを展望しています。

 新しい綱領を決めた2004年の第23回党大会の結語で、当時の不破議長は、未来社会について次のようにのべました。

 「この未来像の特質はなにか。一口に言えば、人間の自由、人間の解放であります。人間が、社会の主人公として、人間の外にあるどんな外力にも従属することなく、どんな搾取も、どんな抑圧も、どんな差別もなしに、たがいに協力しあいながら、人間社会と私たち人間そのものの躍進を実現してゆく社会。そこで人類の限りなき前進という、未来が開けてゆく社会、これが私たちのめざす未来像であります。この社会を描きだすさいに、大先輩であるマルクス、エンゲルスは、人間の『自由』という言葉を、いく度くりかえしたことでしょう」

 私たちの綱領は、2003年6月の中央委員会総会で、改定案の提案がされ、それにもとづく全党討論がおこなわれ、さらに大会での報告と討論によって、マルクスとエンゲルスが本来めざしていた未来社会像が明らかにされ、深められていきました。そして、すべての討論をふまえた結語で、綱領が照らし出す人類社会の未来像とは、「一口に言えば、人間の自由、人間の解放であります」ということがズバリ表明されたことを、私は強い印象と大きな感動をもって受け止めたことを思い出します。

 日本共産党という名前には、91年の不屈の歴史とともに、未来社会の理想がこめられております。

 みなさん、この旗を高く掲げて、さらなる前進・躍進をかちとろうではありませんか。(大きな拍手)


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