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2014年11月25日(火)

きょうの潮流

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 古代ギリシャのペロポネソス戦争を記録した「戦史」をツキュディデスが著したのは紀元前5世紀。現代の国際政治に示唆するところも多い。彼によれば戦争の主因の一つは、「損害を未然に阻止する手立てに汲々(きゅうきゅう)とするあまり、他を信頼する余裕を失ってしまったから」▼安倍晋三首相は7月、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定後の記者会見で言いました。「この備えこそが万が一を起こさないようにする大きな力になる」。戦争準備の法制化に突き進む姿は、2400年以上前にツキュディデスが警鐘を鳴らした軍事的対応に「汲々(きゅうきゅう)とする」姿です▼一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)は来年、共同体を創設します。今月13日のASEAN首脳会議閉幕式で、来年の議長国マレーシアのナジブ首相が演説しました。「ASEANは紛争の解決策を見い出す際に、共有する価値である調和を通じて平和と安全を図るために努力する」▼ASEAN憲章は加盟国間の武力行使放棄を確約した東南アジア友好協力条約(TAC)に基づいた紛争解決を明記。調停、仲裁、首脳会議などさまざまな紛争解決の場を条文化しています▼憲章の起草に携わったシンガポールのウォルター・ウーン元検事総長は、「ASEAN加盟国は域外大国の砲艦外交の被害を経験している」と言います▼安倍首相の自慢は50カ国を歴訪した「地球儀を俯瞰する外交」。ASEAN10カ国すべて訪問しました。それにしては見逃しているものが多すぎます。


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