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2014年10月20日(月)

イラク議会 国防・内相人事承認

新政権「挙国一致」へ前進

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 【カイロ=小泉大介】イラク連邦議会(国会)は18日、アバディ新政権発足(9月8日)以降も空席となっていた国防相、内相などの人事案を承認しました。国営テレビが伝えました。イラクでイスラム過激組織「イスラム国」が攻勢を強めるなか、これと対峙(たいじ)するための「挙国一致」体制づくりが進んだことで、情勢に変化が生まれるかどうか注目されます。

 イラクでは新政権発足まで、イスラム教シーア派のマリキ前首相が治安対策の要である国防、内相ポストを兼任し、同教スンニ派を排除する強権的な「宗派主義」政治を推し進めてきました。これがスンニ派である「イスラム国」の台頭を許す大きな要因になったとして内外の厳しい批判を招き、マリキ氏は退陣を余儀なくされました。

 今回、国防相にはスンニ派のハレド・オベイディ氏が、内相にはシーア派のモハメド・ガッバン氏(いずれも連邦議会議員)が選任されました。

 オベイディ氏は「イスラム国」が6月に制圧したイラク第2の都市、北部モスルの出身。米国が2003年に強行したイラク戦争で旧フセイン政権が打倒されるまで空軍に所属していた人物で、マリキ前政権下でシーア派に偏重した軍の改革を訴えてきました。同氏の起用は、「イスラム国」を支持する一部スンニ派住民の同組織からの離反を促す狙いがあるとみられます。

 新政権では、独立の動きを強めるクルド人に財務相など六つの閣僚ポストが配分され、この点でも「挙国一致」体制づくりを意識したものとなりました。

 ただ、イラクでは現在、「イスラム国」が北中部に加えて西部アンバル州でも多くの都市を支配下に置き、首都バグダッドをうかがう構えを見せているのに対し、米軍主導の「有志連合」とイラク軍は激しい空爆を行っています。今後、空爆により民間人の犠牲が増大することになれば、政治的な「挙国一致」体制づくりの前進にもかかわらず、事態がさらに悪化する可能性もあります。


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