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2014年10月17日(金)

主張

「地方創生」議論

「反省なき国策」で地域壊すな

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 安倍晋三政権が国会に提出した「地方創生」関連2法案の衆院審議が続いています。安倍首相は開会中の臨時国会を「地方創生国会」と名づけ、「若者が将来に夢や希望を持てる地方の創生」などをうたいますが、国民の願う解決策はまったく見えず、“かけ声”ばかりが先行しています。そもそも地方の疲弊などをここまで深刻化させたのは一体誰なのか―。その反省もないままに、新たな「国策」をおしつけることは、住民にも地域にも決して役立ちません。

破たんずみの政策で

 審議入りした2法案は、「まち・ひと・しごと創生」法案と地方再生法改定案です。「創生」法案は、▽人口減少の歯止め▽東京圏の人口集中の是正▽地域の住みよい環境の確保―などを目的にし、国が基本方向となる「総合戦略」を閣議決定し、都道府県と市町村にも同戦略をつくらせるものです。

 人口減少による地域衰退や「東京一極集中」のゆがみを打開することは、多くの国民が切実に求めているものです。しかし、安倍政権の「地方創生」は、その願いにこたえていません。

 安倍政権の政策の大もとは6月に決めた「改訂成長戦略」「骨太方針」です。そこでは「地域の経済構造」の「思い切った改革」を明記し、目標に「アベノミクスの効果を全国に波及させ地域経済の好循環をもたらす」ことを掲げています。「アベノミクス」がめざす「世界で一番企業が活躍しやすい国」に向け地方をつくりかえ、大企業の「稼ぐ力」のために雇用や医療、農業など国民の生活と権利を守ってきた規制の緩和や撤廃を全国におしつけるのが狙いです。

 これらが破たんずみの政策であることは明白です。大企業・財界のもうけを最優先にした歴代自民党政権による地域・国土政策が、どれだけ地方を衰退させ、東京圏など都市部に異常に人口を集中させてしまったのか。低賃金・不安定・長時間労働をもたらした雇用破壊や、農業・中小企業いじめの政策が、どれほど若者の未来への希望を奪い、少子化を加速させてしまったのか―。これらになんの反省もなく、「地方創生」の新たな看板で、地域破壊を引き起こす政策を推し進めることは、逆行です。「アベノミクス」は都市にも地方にも「効果」をもたらしません。

 物価高や消費税増税による暮らしの被害は地方でとりわけ深刻なかたちであらわれています。「アベノミクス」は、大企業が一時的にもうける「効果」はあっても、地域の中小企業、農業、福祉などを衰退させるものです。リニア中央新幹線などの大型開発推進は「東京集中」をさらに加速させます。環太平洋連携協定(TPP)参加は、農業など地域再生の土台を掘り崩す暴走でしかありません。

住民主役を応援してこそ

 地域再生・活性化にいま必要なのは、「アベノミクス」をはじめとする安倍政権の悪政から暮らしと地域を守ることです。安定した雇用と社会保障こそが人口減少にたいする最大の歯止めです。

 国主導の大規模合併に抗した「小さくても輝く自治体」が、個性を発揮して元気な地域づくりをしている姿は教訓的です。国は破たんずみの「国策」おしつけをやめ、住民と自治体の創意あふれる活動を応援する立場に転換することこそ必要です。


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