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2014年10月15日(水)

主張

川内原発説明会

住民は「合格」認めていない

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 「事故が起こりうるものを稼働して『安全』だというのは疑問」「避難計画を再稼働の条件にすべきだ」―九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)が原発の「規制基準」を満たすという原子力規制委員会の審査結果についての住民説明会で、批判や疑問があとを絶ちません。住民は川内原発を「合格」とは認めていません。一部の説明会は「時間切れ」で打ち切られました。先週末から始まった説明会は台風の影響で延期された一部の市を含め5市町で開かれていますが、形ばかりの説明会が終わったからといって再稼働を進めるのは許されません。

説得力ない規制委の審査

 説明会は原子力規制委が9月、川内原発が規制基準を満たすと審査結果を発表したため、再稼働に必要な地元の同意のために開かれているものです。住民説明会が終わったあと、再稼働についての九電と鹿児島県、薩摩川内市の協議会が開かれることになっていますが、川内原発で万一事故が起きれば大きな被害をうけるのは、広範囲の住民です。

 説明会さえ開かれていない原発から30キロメートル以内の市町や隣接する熊本県の住民などにも説明を尽くすべきです。再稼働は強行すべきではありません。

 住民説明会で相次いでいるのは、原子力規制委の審査が「安全」を保証していないことへの批判です。原子力規制委の審査のもとになった基準は東日本大震災での東京電力福島第1原発の事故後見直されていますが、福島原発の事故から3年7カ月たってもくわしい状況さえ明らかになっていないのに、規制基準を満たすというだけで「安全」といわれても信じられないのは当然です。規制委の説明には説得力がありません。

 とりわけ川内原発の近くには阿蘇山(熊本県)や桜島(鹿児島県)など大きな火山があります。大規模な噴火があれば甚大な被害を受けます。噴火の予測が難しいことは最近の御嶽(おんたけ)山(長野、岐阜両県)の噴火でも明らかになりました。監視を強化するというだけで安心できないのは明らかです。

 原子力規制委の規制基準は、福島原発で発生したような、電源がすべて失われ原子炉が冷却できなくなるような重大事故が起こりうることを想定しながら、その対策は間に合わせで、格納容器を二重にするなど抜本対策もとられていません。何より事故のさいの避難計画は自治体任せで、原子力規制委の審査対象になっていません。住民説明会で、「避難計画を再稼働の対象にすべき」「事故が起きたら誰が責任を取るのか」などの批判が相次いだのは当然です。

使用済み核燃料への懸念

 川内原発は、九州電力だけでなく、安倍晋三政権や全国の電力業界が再稼働の第1号にと狙う原発です。原発は再稼働して運転を始めたとたん、高濃度の放射性物質で汚染された使用済みの核燃料がたまります。再処理の見通しも立っていません。住民説明会でも「使用済み核燃料はたまるばかり。当地に押し付けないか」との声があがりました。懸念は深刻です。

 いったん事故が起きればコントロールできなくなり、核のゴミ対策などの見通しもない原発の危険性は明白です。川内原発をはじめ全国の原発の再稼働はやめ、「原発ゼロ」へ進むことこそ重要です。


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