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2014年10月13日(月)

ゆうPRESS/就活 “ブラック企業”見分け術

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 「リクナビ」「マイナビ」「みん就(みんなの就職活動日記)」―インターネットにあふれる就職活動(就活)情報。「いったい、どの情報を信じたらいいの?」というあなた。その判断に役立つのは何か探ってみました。(笹島みどり)


写真

(写真)企業合同説明会(埼玉)に参加した大学3学生。「ネットの情報はどれが本当なのかわからない」と話します

 法政大学(東京)は、今年夏から秋にかけて東京労働局の職員を招き「労働法セミナー」を開催しています。

情報リテラシー

 セミナー開催の目的を「労働法を学ぶことで、情報リテラシー(読み・書き・発信能力)を身につけてもらうこと」と話すのは、同大学キャリアセンター主任・栗山豊太さん。栗山さんは「就活を始めた学生は、膨大な就職情報の渦中に放り込まれます。自主性が求められる就活において、情報を集め分析し、最後は自分で決断しなければなりません。労働法はその道具になるのではないでしょうか」といいます。

 学生からは「知りたいことを知ることができた」「面白かった」と高評価が集まりました。

 今年、労働局に依頼して労働法セミナーを開催した大学は、東京都内で20校。東京労働局総務部企画室長の金田文人さんは「学生から“ブラック企業”の見分け方を教えてほしいという声がありますが、そのような『若者の使い捨てが疑われる企業』は労働法を学べば、ある程度、見分けられるようになります」と話します。(別項)

 他方「法律や権利とか建前の話をされても、現実感を持てない」(都内の企業合同説明会に来ていた、男性・大学3年)、「労働環境を知りたいが、OB・OG訪問の時にも聞きづらい」(同、女子大学4年)という声もあがります。

 労働法セミナーは全国で開催されており、北海道労働局でセミナーを取りまとめている山田雅之さんはこうアドバイスします。「就活時に労働環境を聞きづらいということは、心情としてよく分かります。でも、少なくともきちんと確認すべきことがあります」

 基本的な知識を学んでいることで「相手の説明がちょっと変だなとか、『ここで説明しているのはこういう意味だ』と理解を深める余地が生まれます」と話します。

ネットは限界も

 北海道労働局には、2013年度で7校、14年度(10月時点)で18校(高校、専門学校含む)の労働法セミナー申し込みがありました。

 「農業・環境系」の就職先を志望する学生が多い酪農学園大学(北海道)でも、労働局から講師を招き、今年の春、3年生約600人を対象に労働法ガイダンスを行いました。

 就職課の十倉宏さんは「リクナビやマイナビなどで表示される企業は、日本全国の企業数からみればわずかです」と実態を明かします。大学の就職課にくる求人票はそのようなサイトには載っていない事業者からが大半で、ネット情報には限界があるといいます。

 「求人票だけではわからないことも多い。大手や中小など関係なく、適正な労働環境とはどういうものかを知ったうえでの就活が大事だと思います。その判断に労働法の知識は役立つのではないでしょうか」(十倉さん)


働き方を労働法から見ると…

事例1

 ・Aさんは、4月から東京都内のある会社に勤めることになりました。求人広告では、「月給35万円」となっていましたが、3月に行った社長との面接の際、「どの程度仕事ができるか未知数だから、4月の働き振りを見てから給料額を決めよう」と言われました

・勤め始めてからも「労働契約書」というものはもらっていません

・初めてもらった給料を見ると、基本給13万円しかありませんでした

(東京労働局資料から作成)

労働局のセミナーから

 受講生から「こんなふうに企業はやってくるのか」と反応が寄せられるのは、事例(上図)紹介の場面です。

 東京労働局・金田さんは「求人広告は“申し込みの誘引”であり、会社と労働者との間の合意があって初めて労働契約の内容が決定します」「賃金はあらかじめ決めておく必要があります」「労働条件は、書面で労働者に交付しなければいけません」と紹介。「何が違反なのか分かりやすかった」と感想が多くあります。

 圧迫面接(傷つける言動で学生の反応を試す)やセクハラを受けた際には、労働局雇用均等室、労働委員会などの相談窓口があることも紹介。「労働環境を監視する機関(労働基準監督署)があることを知ってほっとした」などの感想が寄せられています。

 詳細は「知って役立つ労働法」(厚生労働省ホームページ)。


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