「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年9月26日(金)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「子ども中心の社会に向けて、過去から学び、未来に向けて行動しよう」。日本初開催の子ども虐待防止世界会議が先週、名古屋で開かれました▼ひと口に虐待といっても多様化する現代。多岐にわたるシンポジウムや分科会に今の子どもが置かれた複雑な環境を思い知りました。親や学校での体罰を法で禁じている国や、地域ぐるみで子を守る先進のとりくみを聞くにつれ、日本の遅れが浮かび上がります▼今年上半期の児童虐待が過去最多だったことがわかりました。前年の同期に比べて4割増の300件超。これは警察が摘発した事件で警察が児童相談所に通告した数も1万3千人余と最多でした。とくに、言葉による暴力や子どもを無視する心理的な虐待が増えています▼通報が増えたことは社会的な関心の高まりでもあるでしょう。しかし、いまだ闇に沈んだままの虐待は計り知れません。年間50人をこえる子どもが虐待で命を落とす異常さに、世のゆがみを感じます▼子はかすがい。そんな言葉も久しく耳にしていません。「鎹(かすがい)」は材木をつなぎ合わせるために打ち込む、両端の曲がった大きな釘(くぎ)。子は夫婦の仲をつなぎとめてくれるもの、との例えです▼虐待を防ぐには、追いつめられた親の心を救うことや周りの支えが必要です。人を人とも思わない蛮行に打ち震えるいま、親任せにせず、みんなでかすがいを守る―。社会全体で子どもをはぐくむ環境をつくっていくことが、過去から未来へとつづく人類の歩みをつないでいきます。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって