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2014年9月22日(月)

主張

日本経済の変調

消費税再増税どころではない

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 安倍晋三内閣が先週末発表した9月の月例経済報告で政府の景気判断を5カ月ぶりに下方修正し、4月に消費税を増税したあとの落ち込みが長引いていることを認めました。これまで4〜6月期の落ち込みは増税前の駆け込み需要の反動で、7月以降、反動は「和らぎつつある」としていたのを撤回したのです。日本経済は物価が上昇を続けるなかで国民の収入の目減りが続き、増税の影響も加わって消費が落ち込んでいます。このところの急速な円安が輸入物価の急騰を招く心配もあります。日本経済の変調は明らかであり、消費税の再増税どころではありません。

反動減にとどまらない

 安倍内閣は公式には、景気は一部に弱さも見られるが「緩やかな回復基調は続いている」という見方は変えていません。しかし実態は増税前の「駆け込み需要の反動減」にとどまらない、深刻な事態が広がっているという見方が多くなっています。

 消費税は4月に税率が5%から8%に引き上げられました。増税を見越して1〜3月期の個人消費は前期に比べ2・0%増えましたが、駆け込み需要としては弱いものでした。しかも増税後の4〜6月期は一転5・1%の落ち込みです。反動減としては予想をはるかに超える大きなものでした。国内総生産(GDP)全体でも年率7・1%もの大幅な落ち込みです。

 しかも落ち込みは7月になってもとまらず、7月の家計調査で実質消費支出は5・9%もの低下です。政府が景気判断で景気の反動が「和らぎつつある」との見方を撤回したのは当然です。

 落ち込みの原因は反動減が回復していないことや悪天候だけにとどまりません。「アベノミクス」による金融緩和と円安で消費者物価が上昇し、収入の目減りが続いています。毎月勤労統計で見た勤労者世帯の実質賃金は増税前から13カ月連続のマイナスです。日本共産党の志位和夫委員長が指摘したように、「悪循環の危険水域」にはいっているのは明らかです。

 異常な金融緩和と公共投資など財政の拡大、大企業のための規制緩和を3本の柱とする「アベノミクス」は、大企業のもうけを増やしただけで、労働者の収入や雇用の拡大には回っていません。それどころか円安と消費者物価の上昇を招き、実質賃金の目減りを激しくしています。国民が消費を増やすゆとりがないのは、文字通り「アベノミクス」によるものです。

 安倍内閣はこうした「アベノミクス」を改めるどころか、内閣改造後いよいよこれからが「第2幕」だと、金融緩和や規制緩和に拍車をかけています。そのなかでねらっているのが来年10月から消費税の税率を8%から10%に再増税することです。増税が強行されれば、消費をさらに落ち込ませるのは明らかです。暮らしを破壊する増税の企ては中止すべきです。

増税の企てが消費を萎縮

 消費税の税率を短い期間で倍にも引き上げる再増税が予定されていること自体が消費を萎縮させています。安倍首相は「増税によって景気が悪化しては元も子もない」と増税実施の判断に慎重さも見せていますが、増税を中止するとはいいません。日本経済のいっそうの悪化が明らかになるなか、安倍内閣に増税中止を直ちに決断させることが重要です。


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