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2014年9月14日(日)

きょうの潮流

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 イチローが大リーグの年間最多安打記録をぬりかえたとき、ジョージ・シスラーの名前がよみがえりました。1世紀近くも前に活躍した、伝説の名選手です▼歴史を書き換えるほどの快挙は過去を呼び起こします。テニスの四大大会、全米オープンで決勝まで勝ち進んだ錦織圭選手の場合もそうでした。戦前、世界に名をとどろかせた日本人選手に再び光があたったのですから▼92年前の全米選手権でベスト8に入った清水善造さん。日本選手として初めてウィンブルドンにも出場。独特のテニスで世界を席巻しました。四大大会で5度も4強入り、通算32勝をあげた佐藤次郎さん。世界3位まで上りつめました▼全米4強、日本初の五輪メダリストになった熊谷一弥(いちや)さんとともに、日本テニスの黎明(れいめい)期に羽ばたいた選手たち。先人の偉業は強さだけではありませんでした。スポーツに欠かせない精神やフェアプレーを後世に伝えたのです▼語り継がれるプレーが清水さんにあります。1920年のウィンブルドン。米国の強豪チルデンとの大接戦中、相手が足を滑らせ転んでしまいます。そのとき、清水さんは相手の方にゆっくりと返球。本人は「偶然」と流したそうですが、拍手に包まれました▼つねに判定に文句をつけず、相手を敬った佐藤さんの姿勢も世界から評価されました。そして今。錦織選手は決勝で敗れた後、まず相手をたたえ、「来年もこの場に戻ってくる」と潔く顔をあげました。スポーツの心の系譜もまた、つながっています。


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