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2014年9月3日(水)

佐賀へのオスプレイ配備

防衛省 安全性の事実ゆがめる

「自動回転機能ある」のウソ

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写真

(写真)普天間基地のオスプレイ=沖縄県宜野湾市

 防衛省は1日、佐賀県議会、佐賀市議会で県営佐賀空港への陸上自衛隊オスプレイ配備問題について説明を行う中で、オスプレイの「安全性」について事実をゆがめた説明を繰り返しました。

ある?ない?

 オスプレイは、飛行中にエンジン停止など機体が制御不能になった場合、機体の降下で生じる空気の力で翼を回転させ、安全に着陸する「自動回転」(オートローテーション)機能を持っていません。

 米軍が作成した『V22オスプレイガイドブック2011〜12年版』は、「V22はエンジン停止状態で無事着陸するためオートローテーションには頼らない」と明記。機能を持っていないことを認めています。

 ところが防衛省の担当者は、「オートローテーション機能を有していることを確認している」と言います。どうやって確認したのか。「米国内で訓練用シミュレーション(模擬訓練装置)データを視察し、確認している」―。“語るに落ちる”とは、このことです。

 オスプレイは機体の重さに対して翼が小さく、揚力が低いという問題があります。このため「回転翼機と比較すれば降下率は高く機体損傷の可能性は排除されない」(防衛省資料)と言います。速い速度で高度を下げ、安定した体勢に入る前に、地面に叩きつけられるようにして「着陸」するのです。

 あまりに危険なため、米軍も実地訓練を行うことができず、シミュレーションでしか「確認」していません。

多い?少ない?

 防衛省担当者は、(1)機体が有する二つのエンジンが同時に停止することは想定されない(2)全海兵隊回転翼機の中で、10万飛行時間中の「クラスA」事故(200万ドル以上の損害、死者発生)がもっとも少ない―として、「自動回転機能が必要になることはない」とも述べています。

 しかし、米国防総省の「国防分析研究所」(IDA)が03年12月に提出した報告書は、「過去のデータを見ると、二つのエンジンを有する海軍・海兵隊のヘリは燃料の不純化により3〜4年に1回、(同時に)出力が停止している」と指摘しています。

 また、「クラスA」事故率は12年8月時点のものですが、オスプレイの同クラスの事故は13年、14年に2件ずつ発生しています。防衛省は最新のデータに基づいて再計算すべきです。


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