「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年9月1日(月)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 9月に新しいことを始める人も多いでしょう。「なにがなしたのしきこころ九月来ぬ」(日野草城(そうじょう))という句もあります▼今はなかなか「楽しき心」になれません。夏の豪雨災害で絶たれた命のなんと多かったことか。一人ひとりに家族、友人がいて、これからしたいこともあったはずです。最期の瞬間まで自分に9月がないことなど思いもしなかったでしょう▼気象学者、倉嶋厚さんらが編さんした『雨のことば辞典』(講談社学術文庫)に収録された雨にまつわる言葉は、あ行の「愛雨(あいう)」(雨を好むこと)から、わ行の「私雨(わたくしあめ)」(限られた地域に降る雨)まで1200。日本人がいかに雨と深くつきあってきたかわかります▼日本の平均年間降水量は地球平均の約2倍。NHKの気象キャスターも務めた倉嶋さんは「日本の上空には『空の水道』が集中している」と言います。台風、梅雨前線、秋雨前線、温帯低気圧、雷雲、冬の雪雲などです▼この8月の「空の水道」は異常でした。真夏というのに、梅雨と見まがうような長い前線が列島に横たわり、各地に大雨を降らせました。しかし、災害を天だけのせいにしてはいけません。危険箇所がわかっていながら対策がなぜ後手に回ったか▼自然をコントロールするすべはないにしても、人知を集めて災害から身を守ることはできたはずです。何が足りなかったのか。何をすべきなのか。「国土強靱(きょうじん)化」の名で防災と無縁な大型公共事業を進めるのでなく、徹底した科学的検証が必要です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって