「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年8月30日(土)

インド首相、安倍氏会談へ

軍事協力の強化に警戒も

原子力協定など案件が山積み

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【ニューデリー=安川崇】インドのナレンドラ・モディ首相が30日から9月3日の日程で就任後初めて訪日し、安倍晋三首相と会談します。日本からの核技術提供を可能にする日印原子力協定の締結や、海上自衛隊が運用する飛行艇の輸出など、重要案件の交渉が山積みです。インド平和団体は「核、軍事面での協力強化が大きく進むのではないか」と警戒感を強めます。

 今月、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の会合が開かれたミャンマーの首都ネピドーで、岸田文雄外相とスシュマ・スワラジ印外相が会談しました。

 印外務省報道官は、スワラジ氏が岸田氏に「原子力協定の締結交渉について、両国は結果を出す時だと明確に伝えた」と説明。今回の訪日で具体的な成果を求めるインド側の姿勢を強調しました。

 インドは2008年に米国との原子力協力協定を結んで以来、輸入原子炉による原発開発を加速させてきました。しかしすでに購入を決めている米メーカー製の原子炉に日本企業の技術が使われていることから、日本からも核技術導入を可能にする協定を求めています。

 同協定の締結交渉は2010年に始まりましたが、日本側がインドによる新たな核実験の可能性などを指摘し、いったん停滞。その後、11年末に当時の民主党政権が交渉再開でインド側と合意し、現在に至ります。原発輸出に対する安倍政権の積極姿勢などから、インドメディアには早期妥結を予想する声があります。

 これとは別に、海自が救難用として運用している飛行艇US2(新明和工業製作)のインド海軍への輸出準備を両政府が進めています。日本政府による「初の防衛装備の完成品輸出」(現地紙)になるとみられています。

 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、インドは世界の武器輸入の14%を占める最大の兵器輸入国。現地経済紙フィナンシャル・エクスプレスはUS2の輸出で「日本はインドの豊かな兵器市場に初参入することになる」と述べています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって