2014年8月17日(日)
きょうの潮流
左手で丼を取って、右手でよそう。その際、足を一歩たりとも動かしてはならない。左、右と流れるような作業をこなすのが鉄則―。牛丼チェーン店「すき家」の具材をよそる時の手順だそうです▼客の回転率を上げるため、何よりもスピードが求められる。原則10秒以内で牛丼を出す。すべての作業に決まり事があり、分秒刻みの制限時間が設けられている。経済専門誌に紹介されていた、すき家の徹底した管理体制の実態です▼生産性を極限まで高め、利益を上げようとする職場の過酷さはすさまじい。弁護士などの調査報告書によると、恒常的に月500時間以上働いていた、多忙で2週間家に帰れない、過労で倒れ、うつ病に追い込まれる…。目を覆うばかりの法令違反が次々に▼報告書を読んだ労働問題の専門家は「『蟹工船』や『女工哀史』に匹敵する文献」と。そのブラック企業ぶりをいち早くとりあげ、労働組合と協力して環境改善を訴えてきたのが「しんぶん赤旗」でした▼労働者をモノのように使い捨て、若者の体と心を食いつぶすブラック企業。これまでも「赤旗」は企業名をあげて追及しつづけ、他のマスコミを巻き込み、政治や社会を動かしてきました。すき家でも深夜の1人勤務が解消されることに▼一連の報道姿勢が評価され、日曜版が日本ジャーナリスト会議から賞をいただいています。働く人びとの権利と若者の未来を守る。それこそ、日本共産党と「赤旗」の真骨頂です。この国の将来を守るために、これからも。