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2014年8月13日(水)

イラク大統領 首相候補にアバディ氏指名

現職は激しく反発

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 【カイロ=小泉大介】イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」の攻勢で危機を深めるイラクのマスーム大統領は11日、シーア派のアバディ連邦議会副議長を新首相候補に指名し組閣を命じました。「挙国一致内閣」樹立に向けた措置ですが、続投を目指す現職のマリキ首相はこれに激しく反発しています。


 シーア派のマリキ首相をめぐってはこの間、スンニ派排除の強権政治が「宗派対立」をつくりだし、過激派の台頭を許したとの批判が内外で高まっていました。アバディ氏は指名受諾に際し、「われわれは一致団結してテロ勢力と対峙(たいじ)しなければならない」と挙国一致に向けた決意を表明しました。

 一方のマリキ首相は11日、自身が率いる「法治国家連合」が4月の総選挙で第1会派になったことを理由に首相続投の正当性を主張。「アバディ氏指名は重大な憲法違反だ」として、裁判所に訴えました。首都バグダッドには10日以降、首相指揮下の軍精鋭部隊が展開するなど、不穏な動きも出ています。

 マリキ首相の反発に加え、アバディ氏がかつて首相の側近だったこと、さらに現在、米軍が「イスラム国」に対する空爆を実施していることから、スンニ派も取り込んだ新政府づくりが順調に進むかどうかは不透明です。


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