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2014年8月12日(火)

ASEANの「不戦条約」提唱

背景に日中対立も

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 【ネピドー=伊藤寿庸、松本眞志】東南アジア諸国連合(ASEAN)は8日の外相会議から10日のASEAN地域フォーラム(ARF)までの一連の会合で、アジア・太平洋地域での「不戦条約」の締結、南シナ海行動規範(COC)の早期締結を提唱しました。領有権争いなどの海洋権益紛争が偶発的な軍事衝突につながりかねないという危機感から、ASEANは緊張激化を回避する具体的な行動を急いでいます。


 ASEANが提唱するアジア・太平洋地域での「東南アジア友好協力条約(TAC)型」不戦条約の対象国は、ASEAN10カ国に加えて、米国、中国、日本、インドなどのアジア・太平洋諸国を含みます。条約提唱の背景には日本と中国の対立もあります。

 8日のASEAN外相共同声明は「TAC型」不戦条約の具体案として、インドネシア提案の「インド・太平洋地域における友好協力条約」を挙げています。昨年5月、インドネシアのマルティ外相は、同条約構想を初めて公表した演説で、南シナ海だけでなく東シナ海での領有権紛争にも言及。日本と中国の間の偶発的軍事衝突への懸念があることを明らかにしました。

 外相共同声明は、「TAC型」不戦条約に関して、アジア・太平洋地域の平和と安定の枠組みをつくる上で、ASEANが「中心的役割」を果たすことを強調。6月下旬にハノイで開かれた「ASEANの中心的役割に関する特別高官会合」の重要性に言及しました。

 この特別高官会合では、ASEANが「(アジア・太平洋)地域全体に共通の行動規範を築き上げる」ことを目指すとして、▽諸大国に対応する能力を持つ▽地域で発生する諸問題に対する立場と解決策で主体的で共通の立場を持つ▽ASEAN共通の利益を促進する―ことを確認しました。

 ASEANは2015年に共同体を設立します。8日の外相共同声明は、共同体設立後の構想の進展を歓迎するとして、「ASEANの中心的役割を維持して域内の利益を増進するため、ASEANの団結と一体性強化の重要性を強調する」と表明しました。

 このほか声明は、南北朝鮮の離散家族の再会と日本と北朝鮮の最近の対話再開を歓迎しながらも、北朝鮮の弾道ミサイル実験への懸念を示し、6カ国協議再開に向けてARFも貢献することを表明しました。声明は、中東情勢やウクライナ問題、マレーシア機撃墜問題にも言及しました。


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