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2014年8月4日(月)

前与党が軍政協力拒否

タイ 民政移管後の政権目指す

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 5月のクーデターで政権を失ったタイの前与党・貢献党は2日、軍政統治機構の国家平和秩序評議会が10月に発足させる「国家改革会議」に参加しないことを決めました。軍政に反対する活動を控える一方で、貢献党を“改革の障害”扱いする軍政への協力は拒否する姿勢を示したものです。

 (面川誠)


 軍政は国家改革会議について、タクシン派と反タクシン派による政治対立を解消するために改革を進める機関だとしています。構成員の総数は250人で、政治、行政、立法・司法、地方行政、教育、経済、エネルギー、公衆衛生・環境、マスメディア、社会、その他―の11分野ごとに委員会を立ち上げる構想です。

 軍政は国家改革会議の構成員を幅広い政治勢力、各分野の代表から選ぶとしています。しかし軍は、前回2006年のクーデターで失脚したタクシン元首相を支持するタクシン派を“伝統的支配層と王制を揺るがす存在”とみなして敵視しています。国家改革会議の構成員は軍政によって任命されるため、公正な「改革」は期待できないのが実情です。

 貢献党もタクシン派で、軍政にとっては抑圧の対象。軍はクーデター後、貢献党につながるとみなした人物を行政機関から追放するか、左遷するタクシン派狩りを徹底的に進めています。

 貢献党政権の副首相兼外相だったスラポン氏は2日の会合後、現地記者団に対して、国家改革会議に参加しない理由として、「(軍政が)貢献党を政治対立の原因とみなしている」ことを挙げました。

 スラポン氏は、「新たな憲法が制定されれば総選挙が実施される。われわれはすでに、選挙に向けた準備を進めている」と述べ、民政移管後の政権復帰を目指した活動に力を入れていることを明らかにしました。

 バンコク・ポスト紙3日付は、ピチャイ編集長の論説を掲載し、「現在のところ(国家改革評議会が目指す)変化の方向は、タクシン氏の影響力を根絶することに著しく傾いている」と指摘。公正な改革のためには活発な討論が必要であり、軍政は表現の自由や報道への規制を解除すべきだと要求しました。

 国家改革会議で決定される方針は、国家立法議会が法制化することになります。軍政の任命で7月31日に発足した立法議会は総数200人のうち過半数の105人が現役・退役軍人で占められており、軍政の意向がそのまま反映される仕組みになっています。


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