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2014年8月1日(金)

アルゼンチン債務 財務相“ハゲタカ要求拒む”

交渉決裂、13年ぶり不履行へ

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 アルゼンチンの債務返済問題で、アルゼンチン政府と米投資ファンドの間でニューヨークで行われていた交渉は7月30日、決裂しました。アルゼンチンのキシロフ経済財務相は交渉後にニューヨークで記者会見し、債務再編に応じず全額返済(13億3000万ドル)を求める米投資ファンドを批判。投機を目的とする「ハゲタカファンド」の要求を受け入れない姿勢を明確にしました。 (浅田信幸)


 交渉決裂により、アルゼンチンの13年ぶりとなる債務不履行(デフォルト)が確実な見通しとなりました。キシロフ氏は会見で、「米ファンドだけに有利な条件で債務を返済することはできない」と述べ、米ファンドの姿勢を厳しく批判しました。

 アルゼンチンは2001年に1000億ドルのデフォルトに陥り、債権者に債務の減額を求めました。すでに92%の債権者がこれに応じています。

 米投資ファンドは債務減額に応じなかった債権者から格安で債権を買い集めて、債務全額を米ファンドに支払うよう求めて提訴。6月に米最高裁が、これを認める判決を確定しました。アルゼンチン政府は命令の一時停止を求めて、米裁判所や米ファンドと交渉を続けていました。

 米裁判所の判決については、国連中南米カリブ経済委員会(ECLAC)のバルセナ事務局長が「将来的な他の国の債務再編過程にも障害をもたらす」「国際的な金融システムの安定を損なう」と述べるなど、国際的にも批判の声が広がっていました。

 キシロフ氏は会見で、ファンド側の要求をのめば、債務再編に応じた投資家たちにも同様の条件で支払う義務が生じると指摘。譲歩すべきは米ファンド側だと対決姿勢を強めています。

 アルゼンチンの外貨準備高は280億ドル(約2兆9000億円)にのぼり、キシロフ氏は債権者に対し「公平、公正で合法的な条件であれば返済する」と主張。今回のデフォルトの影響は限定的なものにとどまるとみられます。


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