2014年7月30日(水)
ガザ攻撃「長期戦備える」
イスラエル首相 安保理声明も非難
【カイロ=小泉大介】イスラエルのネタニヤフ首相は28日夜、テレビ演説を行い、同国軍によるパレスチナ自治区ガザ攻撃について、「われわれは長期戦に備える必要がある」と表明しました。ガザ攻撃はすでに3週間以上にわたり、パレスチナ人死者1110人、イスラエル軍兵士死者53人を出していますが、犠牲者がさらに増える危険が強まっています。
ネタニヤフ氏は同日、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長との電話会談で、イスラエル軍とイスラム武装抵抗組織ハマスに「即時かつ無条件の人道的停戦」を求めた国連安保理議長声明について、「イスラエルではなくテロリストの要求に応えたものだ」とあからさまに非難しました。
一方、ハマスの報道官は28日、「パレスチナ人民はネタニヤフ首相の脅しには屈しない。占領者は代償を支払うことになる」とのべ、徹底抗戦する姿勢を示しました。
イスラエル側は停戦の条件として、ガザからイスラエルに抜けるトンネルやロケット弾を破壊し、ハマスを武装解除させるよう主張。ハマス側はイスラエルによるガザ封鎖の解除を求めています。
28日はイスラム教のラマダン(断食月)明けの「イード・アル・フィトル」と呼ばれる3日間の祝祭期間の初日となりました。
しかしこの日も、ガザ市最大のシファ病院の施設が砲撃を受け、近くの難民キャンプ内の公園が爆撃されました。現地からの報道によれば、公園爆撃で、遊んでいた子ども8人を含む10人が死亡、約50人が負傷しました。
ガザ住民やパレスチナ当局はイスラエル軍が公園を爆撃したと非難。同軍は、ハマスがロケット弾を誤射したと主張しています。