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2014年7月25日(金)

2014 焦点・論点

インドネシア副大統領補佐官 デビィ・フォルトナ・アンワルさん

「力の均衡」より共通利益追求 北東アジアに平和協力機構を

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 アジア・太平洋地域の平和構築について、インドネシアのデビィ・フォルトナ・アンワル副大統領補佐官(政務担当)に聞きました。アンワル氏はストックホルム国際平和研究所(SIPRI)理事も務める国際政治学者。今年5月にシンガポールで行われたアジア安全保障会議(英国国際問題研究所主催)では、ヘーゲル米国防長官の講演で質疑に立ち、東南アジア諸国連合(ASEAN)の平和構想と米国の軍事同盟強化は両立しないと論陣を張りました。 (ジャカルタ=松本眞志 写真も)


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(写真)アンワル副大統領補佐官

 ヘーゲル長官との質疑での私の意見は、インドネシアの意見でもあります。アジア・太平洋地域は非常に複雑な地域で、複数の大国や多くの中小規模の国があります。

 オランダの植民地支配と日本による占領などをへて、独立を勝ち取ったインドネシアは、独立当初から自由で積極的な外交政策を堅持してきました。

 インドネシアは(1961年の)非同盟運動の創立メンバーの一つです。冷戦を通じて、アジア、アフリカ、ラテンアメリカから構成される非同盟運動は、大国や軍事同盟の支配を許しませんでした。

 その考えはインドネシアの外交政策の核となっています。インドネシアはいかなる軍事大国とも同盟を結ばず、旧ソ連陣営にも西側陣営にも加担しませんでした。

 私たちはこの立場をASEANにも取り入れました。ASEAN内部には大国と軍事同盟を結んでいる国もあります。しかし、ASEANそれ自体は、大国の傘下に入ったことはありません。

 私たちは「動的均衡」の国家関係を提起しています。「動的均衡」とは、相互協力を目的とするすべての国が参加する権利を持つ包括的地域機構を特徴とします。敵か味方かという「力の均衡」とは異なります。

 「動的均衡」は、戦争に道を開く意見の相違を防ぎ、共通の利益に導く一致点を見いだせる機構の構築で、「力の均衡」よりもっと快適な“均衡”をめざすものです。それは、ある国が特定の大国のもとで補助的役割を果たすような関係ではありません。

 具体的にいえば、私たちは日本が米国のアジア太平洋地域の軍事戦略に加担することを絶対に望みません。東南アジア諸国にとっても、そうした状況は非常に不愉快なことです。

 東南アジアは大国間の紛争の舞台となることを望んでいません。なぜなら、過去にこの地域は大きな惨害を被ってきたからです。

 第2次世界大戦終結から70年近くが経過しましたが、人々はいまでもそれを記憶しています。特に北東アジアの人々は完全には忘れていないし、許していません。

 ですから、日本が軍事力に関して取るいかなる措置も近隣国とのコミュニケーションが必要だし、軍事力が近隣国に敵対に用いられない保証が必要なのです。

 さらに、もっと明確に、率直に、日本が軍事的冒険主義をとらないこと、軍事力が他国のために使用されないこと、域内とより広範な国際社会の平和と安定を促進することが求められています。

 日本は国際社会における平和構築のために、もっと積極的な役割を果たすことができると思います。

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(写真)アジア安全保障会議で発言を聞く各国政府・軍の高官=6月1日、シンガポール

 ASEANは紛争解決のために設立(1967年)されました。当時、紛争を抱えていたインドネシアとマレーシアは、良好な関係を持てるような地域機構を緊急に必要としていたのです。

 こうした地域機構は共通の利益を発展させ、具体的な協同を発展させることができます。それによって仮に互いが同意できない問題があっても、仲たがいしにくくなります。

 北東アジアにはこうした地域機構が存在しません。しかし私たちには(北東アジア諸国を含む)東アジア首脳会議があります。東アジア首脳会議には、北朝鮮を除くすべての北東アジア諸国が参加しています。

 また、ASEANは日本、韓国、中国が会合するフォーラム(ASEANプラス3)を提供しています。日中韓は互いに問題を抱えているときでも、ASEANが提供するさまざまな場で会合を持つことができます。

 ASEANプラス3も、東アジア首脳会議も、日中韓が接触できるフォーラムなのです。しかし、こうしたフォーラムは、2国間問題を話し合うにはあまりにも規模が大きすぎます。

 ですから私は、ASEANプラス3や東アジア首脳会議、ASEAN地域フォーラム(ARF)に参加する北東アジア諸国が、自分たち自身の地域協力機構をつくり上げることを希望しています。

 そのために、日本はアジアでもっと積極的になるべき国の一つです。なぜなら、日本は第2次世界大戦での侵略国だからです。過去の軍国主義から本当に生まれ変わったということを近隣国に確信してもらう必要があります。

 私は日本が近隣国からの信頼を得てこなかったことを憂慮しています。第2次世界大戦の歴史の書き換えを試み、日本軍「慰安婦」問題での言い訳を試み、良い結果は得られませんでした。近隣国の多くは失望し、日本が誠実さを欠いていると感じています。

 日本で最も影響力のある人々が靖国神社に参拝したことは、さらなる問題を生み出しました。日本は近隣国に、過去の日本とは違うのだという新しい日本像を示す必要があるでしょう。


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