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2014年7月16日(水)

主張

ガザ空爆の行方

軍事では問題解決できない

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 イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への軍事攻撃が、国際社会に懸念を広げています。

 イスラエル政府は15日、エジプト政府の停戦案を受け入れることを明らかにしました。しかし、イスラム武装抵抗組織ハマス側はこれを拒否しており、事態の行方は依然不透明です。

犠牲者の8割は民間人

 イスラエルはハマスによる「イスラエルに対するロケット弾攻撃は許さない」(ネタニヤフ首相)として、8日から空爆を本格化し、ガザ地区の約1500カ所を攻撃しました。標的は、民家やモスク(イスラム教礼拝所)などハマスの軍事施設と無関係の場所に及び、ガザ保健省などによると、13日までにパレスチナ人の死者は170人を超え、負傷者は1300人近くに達しています。

 国連などの発表によると、犠牲者の8割は女性や子どもを含む非武装の民間人であるとされています。こうした非人道的な武力行使は、どんな理由があろうとも絶対に許されるものではありません。

 イスラエルは、空爆を直ちに停止し、一切の軍事攻撃をやめなければなりません。

 今回の軍事衝突のきっかけは6月末、イスラエルが占領を続けるヨルダン川西岸でユダヤ人少年3人の遺体が発見されたことでした。イスラエル政府はこれをハマスの犯行と断定してパレスチナ人を大量逮捕しました。直後に、パレスチナ人の少年がユダヤ人グループによって報復として拉致され、生きながらに焼き殺される事件が発生、パレスチナに怒りが広がりました。その後、ハマス側はイスラエルへのロケット弾攻撃を強化していますが、イスラエル側に死者は出ていません。

 ネタニヤフ首相は、このロケット弾攻撃をやめさせることを口実に空爆を開始し、さらに予備役兵約3万人を招集。13日には、特殊部隊を一時的にガザ地区北部に投入するなど軍事行動を日に日にエスカレートさせてきました。

 潘基文(パンギムン)国連事務総長は13日、ハマスのロケット弾攻撃を国際法違反と批判するとともに、「イスラエルが地上侵攻すれば、死者数が増え、ガザ市民の苦しみが深刻化することは疑いようがない」とイスラエル側に自制を求める声明を発表しました。

 声明は、「イスラエル・パレスチナ間の紛争は軍事的手段では解決できない」と指摘しています。

交渉による解決を

 今回の事態の背景には、長年にわたって未解決のままとなっているパレスチナ・イスラエル間の深刻な紛争が横たわっています。

 日本共産党はかねて、問題の解決のためには、(1)パレスチナ占領地でのイスラエルによる違法な入植地の拡大の停止と占領地からの撤退、(2)パレスチナの独立国家樹立を含む民族自決権の完全な確立、(3)イスラエル、パレスチナの双方が相互に生存権を認めあう―の3点が不可欠であるとの立場を明らかにしてきました。

 国連事務総長が指摘するように、この問題は、軍事的対応では解決できません。軍事攻撃の応酬は報復の連鎖を深め、さらなる犠牲者を生み出すだけだからです。いまなによりも求められているのは、イスラエル、パレスチナ双方が攻撃を停止し、交渉による問題解決に向かうことです。


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