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2014年7月8日(火)

主張

改悪生活保護法

生存権を侵害する対応許さず

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 生活保護利用者の削減・抑制などを狙った改悪生活保護法が7月から施行されました。昨年12月の国会で自民・公明両党が強行成立させた改悪法には、保護申請手続きの厳格化、親族の扶養義務の強化などの仕組みが盛り込まれています。しかし、改悪反対の世論と運動の広がり、日本共産党の国会追及などによって、厚生労働省は「運用はいままでと変わらない」と表明しています。生活保護を申請し、受給する権利を侵害させないたたかいが重要となっています。

狙いは「水際作戦」強化

 今回の改悪は、生活保護法が1950年に制定されて以降、初めての大規模な改定です。生活保護費を強引に抑制するための新たな仕組みを次々と持ち込みました。

 これまで口頭でも認めていた生活保護の申請を、福祉事務所が指定した用紙に記入して給与明細などを添付して申請しないと認めないことを狙った条文を新設しました。保護を申請した人の親族に、扶養が可能かどうかを確認するなどのために福祉事務所に強い権限を与える改定も行われました。

 改悪法が狙いどおり実行されれば、保護が必要な人たちが福祉事務所の窓口で保護申請すらできなくなる「水際作戦」をますます横行させる危険が強まります。しかし、日本弁護士連合会や生活困窮者の支援団体・市民などの運動の大きな広がり、国会での日本共産党の追及などにより、厚労省は「運用を変えるものではない」と明言しました。参院厚労委員会が「『水際作戦』はあってはならないことを、地方自治体に周知徹底する」と付帯決議をしたことも重要な「歯止め」となりうるものです。

 しかし、少なくない自治体で、法改悪を前後し、「水際作戦」を強めていることは重大です。大阪市では、体調を崩し手持ちのお金もない人に無理な「求職活動」を迫って保護申請を受け付けなかったり、生活保護受給者にまで親族の扶養が可能かどうかの照会までしたりするなど、極めて異常な対応が横行しています。住民の命と健康にかかわる大問題です。

 違法な「水際作戦」は即刻やめるべきです。厚労省は「申請権を侵害しないことはもとより、侵害していると疑われるような行為も厳に慎むこと」を地方自治体に求めています。自治体の違法対応を是正させる指導など必要な手だてをとることが求められます。

 安倍晋三政権は昨年から生活扶助費の過去最大規模の削減を実行し、物価高に苦しむ生活困窮世帯に追い打ちをかけています。6月末に閣議決定した経済財政の基本方針「骨太の方針」では、住宅扶助や冬季加算なども容赦なく「適正化」する方針を鮮明にしました。

 「アベノミクス」による貧困と格差の拡大が深刻化するなかで、安倍晋三政権が推進している生活保護大改悪は完全な逆行です。

安全網を機能させて

 生活保護は国民に生存権を保障した憲法25条を具体化した制度です。「健康で文化的な最低限度の生活」を根底から破壊する政治はあらためなければなりません。

 生活扶助費削減にたいする審査請求は大規模に広がり、削減を不当とする裁判も起こされています。「最後の安全網」である生活保護制度の再生と充実を求める世論と運動をさらに強め、発展させるときです。


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