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2014年7月5日(土)

亡国安倍農政「改革」 通常国会を振り返って (中)

紙 智子参院議員 党農林・漁民局長に聞く

交付金の対象者を限定

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 ―農政関連の2法が成立しましたね。

 「農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律」と「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」ですね。国会論戦を通じて、農家や国民の期待に反することがはっきりし、日本共産党は反対しました。

機能発揮せず

写真

(写真)下赤阪の棚田での田植え=6月、大阪府千早赤阪村

 民主党政権下の戸別所得補償交付金は、すべての販売農家が対象でした。今度の「担い手経営安定法」は、畑作物の直接支払いや、米・畑作収入減少影響緩和対策の交付金の対象者を認定農業者、集落営農、認定就農者に限定します。対象農家が8万3848戸から3万8053戸へ半数以下に減少します。

 支払い方式は、従来の面積支払いから数量支払いへ変えました。中山間地域のような条件不利地域では、交付額が減らされ、所得の補填(ほてん)機能が弱まります。

 「多面的機能促進法」は、認定農業者などの「担い手」が経営規模を拡大すると、生産・流通コストの削減など農業経営に手を取られ、水路や農道の管理などが重荷になることから、それを地域住民に押し付けます。しかし、農地を「担い手」に売却した農家の失業対策事業になりかねません。

 農業の多面的機能は本来、水田が水をためて洪水を防いだり、農業が営まれていることで生物多様性が維持され、農村の景観が保たれたりする役割です。農家が農業の担い手として地域に住み続け、地域社会が協力することが前提です。農業生産と切り離された活動では、本来の多面的機能が発揮できません。

自給率無関心

 ―日本の食料自給率は低いままです。

 国会質問では、多くの問題をいろんな角度から取り上げました。

 食料自給率をめぐる議論では、「農業・農村基本計画」で50%と定めた目標の達成のために、政府は何をするのかただしました。

 自給率向上には、大豆や小麦、畑作物などを戦略的作物と位置付けて支援することが不可欠です。しかし、政府は、支援する農家を限定するため、多数の販売農家が切り捨てられます。

 食料自給率の目標について、農水相の認識をただしても、「食料自給率を上げます」とはっきり答弁しません。審議会の議論に待つという姿勢です。

 生産者米価は年々下落し、生産費が取引価格を上回っています。これでは、再生産ができません。しかも、米の過剰感があり、米価は一層下がる傾向です。政府に、米の需給と価格の安定への責任を果たすよう求めましたが、「市場に口は出さない」と答弁するありさまで、赤字になっても知らんぷりです。

 (つづく)


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