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2014年6月30日(月)

他国への武力攻撃排除が「専守防衛」?

「言葉遊び」必ず破たん

想定問答集

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 「新三要件」のもとで集団的自衛権を行使しているときに、国連安保理が武力行使を容認する決議を採択しても、「憲法上『武力の行使』は許容される」―。集団的自衛権行使を可能にする解釈改憲に関する政府の想定問答集は、あきれるようなごまかしを積み重ねるものです。

暫定措置

 本来、個別的自衛権であれ集団的自衛権であれ、国連憲章上は国連の集団安全保障措置が機能するまでの暫定措置であり、集団安保が機能したら、自衛権は停止するのが原則です。強盗に襲われた人が殴りかえすことが許されても、警官が駆けつけて強盗を取り押さえにかかったら、警官にまかせるのと同じです。

 こうした原則に照らせば、国連の安全保障措置が機能したら、集団的自衛権の行使は継続できず、今回の解釈改憲では集団安全保障について説明されていないので、集団安保に参加できるはずはありません。

 ところが、問答集では二重三重の欺瞞(ぎまん)の「論理」を重ね、「集団安保参加」の道を開いています。

 (1)新三要件のもとでの集団的自衛権は、「我が国の存立を全う」し、「国民の命と権利を守るためのもの」とされ、「やむを得ない自衛の措置」だとされています。

 (2)他方、我が国への攻撃排除のための武力行使(個別的自衛権)の途中で国連安保理決議に基づく集団的措置が取られ、日本を守るための集団措置が行われる場合、日本の自衛措置は継続できるとする政府答弁書(閣議決定)が27日に出されました。

 右の(1)と(2)をあわせると、今回認める「集団的自衛権」はあくまで「国民を守る自衛の措置」なので、国連の安全保障措置が決まっても、個別自衛の場合と同じように「自衛の措置」は継続できるというのです。

 例えば、ペルシャ湾での機雷掃海は中東の原油に依存する日本の存立にかかわる↓集団的自衛権を発動↓国連安保理決議↓日本の活動は「自衛の措置」なので継続↓集団安保への参加ではない―という「論理」です。

 他国への武力攻撃であるのに、どうして日本国民の生命と権利が覆される事態が起こるのかについて合理的説明のないまま、言葉の上だけで「自衛の措置」とごまかす、あまりにひどい非論理性というしかありません。

非論理的

 他国への攻撃でも日本の存立にかかわるというのは、一種の「先制自衛」論で、国際社会でも認められていません。想定問答集では、他国への武力攻撃を排除する「武力行使」なのに「専守防衛は不変」としており、もはや理解不能です。国民の命がかかる大問題で、非論理的な言葉遊びだけの説明は、必ず破綻します。

 (中祖寅一)


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