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2014年6月25日(水)

カジノも成長戦略

安倍内閣 「検討すすめる」と明記

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 安倍晋三内閣が24日閣議決定した「成長戦略」には、刑法が禁じる賭博場であるカジノを中核とする統合型リゾート(IR)について「関係省庁において検討をすすめる」と明記されました。


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(写真)カジノ推進団体が開いた模擬カジノイベント=2013年10月24日、北海道小樽市内

 カジノについては、昨年6月の成長戦略「第3の矢」に盛り込まれる寸前までいきながら見送られた経緯があり、政府の成長戦略にカジノが盛り込まれるのは初めて。

 「成長戦略」の「戦略市場創造プラン」に盛り込まれたもの。カジノは「観光振興、地域振興、産業振興等に資することが期待される」としたうえ、「その前提となる犯罪防止・治安維持、青少年の健全育成、依存症防止等の観点から問題を生じさせないための制度上の検討も必要」とのべ、通常国会で継続審議となったカジノ合法化法案の状況をふまえ、「関係省庁において検討を進める」としています。

 安倍首相は5月30日に訪問先のシンガポールでカジノ施設を視察し、「統合(型)リゾートは日本の成長戦略の目玉になると思う」と発言。カジノ合法化法案について「日本の魅力をよりパワーアップするために何をなすべきか、世界から人を呼ぶためにどうするべきかという観点で検討を進めてほしい」と成立への期待を口にしました。

解説

「賭博で成長」の異常

 安倍内閣が決めた「成長戦略」は、企業が「稼ぐ力」を強調していますが、そこにカジノを盛り込んだことは、「もうかれば何をやってもいい」という、この政権のさもしい哲学を象徴的に示すものです。

 日本は、国民が年間5兆6000億円も賭博で負ける世界最大のギャンブル大国です。ギャンブル依存症の深刻な被害も世界最悪の広がりをみせています。

 カジノが、日本進出をねらう国際的なカジノ資本、ゼネコン、不動産業界、ゲーム産業などに巨額のもうけをもたらしたとしても、さまざまな負の影響を引き起こし、大きな社会的コストを国民に負わせる結果になるのは目に見えています。賭博頼みの「成長戦略」などありえないのです。

 自民、民主、維新、公明、みんな、結い、生活などの議員がつくる超党派カジノ議連のカジノ合法化法案は、先の国会で継続審議となっています。根拠となる法律が成立してもいない段階で、数の力で、必ず秋の国会で成立させるとばかりに、政府の計画にそれを書き込むなど、論理的にも通用しません。 (竹腰将弘)


 統合型リゾート(IR) カジノに国際会議場、ホテル、料飲施設、劇場、ショッピングセンターなどを併設した巨大な観光拠点施設。カジノ推進派は、カジノという言葉の悪印象を避けるため「統合型リゾート」「IR(アイアール)」という呼称を使っています。


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