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2014年6月25日(水)

「大阪都」構想 法定協議会 維新が乗っ取り?

世論そっちのけ 反対派排除方針

共産党 「暴挙認められない」

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 橋下・「維新の会」が大阪市を解体する「大阪都」構想の破綻を取り繕うために、また暴走を始めています。「都」構想の制度設計を話し合う、大阪府市の法定協議会の反対派委員を「規約違反」と決めつけ、賛成派の維新議員らに入れ替えようというのです。 (藤原直)


 「自民、民主、共産の委員の発言は入り口論に終始し、職責を果たしていない」。法定協の浅田均会長は9日、各会派に送った文書でこう主張しました。協議会の設置目的は「都」構想の設計図である協定書の作成であり、「大阪市解体はすべきでない」といった発言は「規約違反」だというのです。

問題指摘を「違反」

 法定協委員の日本共産党・山中智子市議団幹事長があきれます。

 「浅田氏が送りつけてきた文書には、規約違反の発言として、私の『都構想の前提である二重行政をなくして4000億円を生み出すというスローガンが絵空事だとはっきりした』という発言にまでアンダーラインが引かれていました。事実の問題ですよ。問題点は何も指摘するなというのでしょうか」

 昨年8月に「都」構想の制度設計案が示されて以降、法定協の野党側委員の発言の大半は、具体的な疑問点や不備の指摘です。橋下市長や松井一郎知事ら維新側は、次々と提起される問題を積み残したまま、1月末に自分たちの提案が退けられると法定協を“閉鎖”。橋下氏が「出直し市長選」に打って出たのです。野党側の開催要求にもかかわらず法定協は5カ月間も開かれてきませんでした。

 「その上、反対派委員を外そうとするのは、自分たちが私たちの疑問に答えられないと宣言しているようなものです」(山中氏)

世論約6割が反対

 法定協は大都市地域特別区設置法に基づいて設置されたものです。総務省は法の解釈として「協議会で特別区設置(=都制移行)の是非について協議することもできる」としています。

 橋下氏は「一般論だ」と反発。「出直し市長選」で反対派委員排除を掲げて「市民に落とされなかったから僕のやり方で進める」と言います。しかし、その「市長選」のときの世論調査では、反対派委員排除に約6割が反対(「朝日」)。結果、投票率は23・59%と過去最低を記録し、当日有権者数に占める橋下氏の得票数は17・85%に落ち込んでいます。

 そもそも前身の協議会から法定協への移行の際、反対派委員に「特別区設置協議会(法定協)の中で違う話もしたらいいじゃないですか」と語っていたのは橋下氏自身です。

 協議では、何が住民のためになるのか、事実に基づき議論されるべきです。立命館大学の村上弘教授も「結論は最初から決められません。『都』構想の設計図も審議のうえ、法定協で否決しても何ら構わないのです」と指摘しています。

 維新はいま、府議会の議会運営委員会で法定協委員の入れ替えを強行しようとしています。府市両議会で過半数割れしている維新がかろうじて過半数を握っているのが府議会の議運だからです。

 日本共産党府議団の宮原威団長は19日の談話で、議運は府議会から全権を委任されているわけではないとして「強行すれば偽りの『多数』による暴挙だ」「断じて認められない」と表明しています。


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