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2014年6月25日(水)

主張

「骨太」と成長戦略

破綻したアベノミクス中止を

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 安倍晋三政権の経済政策の基本となる経済財政運営の基本方針(「骨太の方針」)と、成長戦略(「日本再興戦略」)の改訂版が閣議決定されました。「アベノミクス」を自称する安倍政権の経済政策は、「デフレ脱却」を掲げるなかで物価上昇と所得の伸び悩みが顕在化し、国民には消費税の増税を押し付けながら財政は悪化の一途をたどるなど、破綻を鮮明にしています。新しい「骨太の方針」と成長戦略で、大企業を中心にした法人税の減税や医療・雇用などの改悪をさらにすすめ、大企業の「稼ぐ力」だけは拡大しようとねらう政策は、直ちに中止すべきです。

「成果」どころか弊害が

 安倍政権が新しく決めた「骨太の方針」と成長戦略の改訂版は、「日本経済は長期停滞やデフレで失われた自信をようやく取り戻しつつある」と、「アベノミクス」の「成果」を自賛して見せます。安倍政権が発足いらい進めてきたのが、日本銀行に消費者物価の2%上昇目標を押し付けた異常な金融緩和と、大型公共事業などの財政出動、医療・雇用の「規制緩和」などですが、その結果は「成果」より弊害が目立つものです。

 金融緩和によって投機が激しくなるとともに、円安が進んで輸入物価が上昇し、加えてこの4月から消費税の税率が5%から8%に引き上げられたため、4月の全国消費者物価は前年同月に比べ3・4%も上昇しました。一方、労働者の基本賃金(所定内給与)が4月まで2年以上も落ち込みが続いているなど所得は伸び悩み、物価高のなかでの収入減という最悪の事態を招いています。所得の伸び悩みは、経済の「好循環」は掛け声だけで、大企業はもうかってもそれを国民に還元していないことや、政府が宣伝する雇用の改善も賃金の安い非正規中心となっていることなどが原因です。

 安倍政権は「経済再生」を宣伝し、4月からの消費税増税を強行しました。来年10月からはさらに10%への増税を狙っています。こうした増税が国民から購買力を奪い、消費を冷え込ませて、経済を悪化させることは目に見えています。しかも庶民向けの増税にもかかわらず、機動的な財政出動を掲げた大型開発事業の拡大や「軍事大国」をねらった軍事費の増額が財政を一段と悪化させています。

 今回の「骨太の方針」や成長戦略が“目玉”として持ち出した法人税の減税が、財政危機をさらに深刻化させるのは明らかです。「骨太の方針」が「歳出の重点化・効率化」と称して、医療や介護を中心に社会保障給付について「いわゆる『自然増』をふくめて聖域なく見直す」としているのも、国民の暮らしと福祉を悪化させるものです。福祉を狙い撃ちにした「構造改革」路線そのものです。

大企業の「稼ぐ力」の危険

 今回の成長戦略が、「企業の『稼ぐ力』の向上」を掲げ、法人税の減税にせよ、労働者に「残業代ゼロ」を押し付ける雇用の「規制緩和」にせよ、大企業のもうけを増やす政策を露骨に盛り込んでいるのは重大です。雇用だけでなく、医療や農業の「規制緩和」も大企業のもうけ口を増やすものです。

 大企業がもうけを増やすだけでは暮らしはよくなりません。もうけを賃金や下請け代金に還元させ社会的責任を果たさせてこそ、国民本位の成長が実現します。


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