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2014年6月13日(金)

STAP問題

理研、構造的に欠陥

改革委「再生研 解体を」

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(写真)理化学研究所が当初、マウスの「STAP細胞」だとして発表した画像(理研提供)

 理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)小保方晴子研究ユニットリーダーらによるSTAP(スタップ)論文の問題をめぐって、外部有識者でつくる改革委員会は12日、研究不正の再発防止にむけた提言をまとめ、理研の野依良治理事長に提出しました。提言は、問題の背景に「不正行為を誘発し、不正を抑止できないCDBの構造的な欠陥があった」と指摘。小保方さんらの個人的責任とともに、理研本体に対しても「研究不正防止に対する認識が不足している」と批判。CDBの解体など不正防止のしくみづくりなどを求めています。

 改革委は提言で、「理研の研究不正防止策の位置づけが希薄だった」と指摘。▽小保方さんの採用に当たって資質や研究内容を精査しなかった▽STAP論文は生データの検討などを省略し拙速に作成された▽CDBにおいて実験データの記録・管理は研究者任せにされていた―ことなどを問題視しています。

 その上で再発防止のため、不正の内部通報制度の導入、実験データの記録・管理システムの構築や、CDBの解体、竹市雅俊センター長と論文の共著者の笹井芳樹副センター長らトップ層の交代など、抜本的な組織改革を求めました。

 改革委は、理研の研究不正防止のための規定にもとづいて4月に設置。大学教員など6人で構成され、これまでに11回の会合が開かれました。小保方さんらの研究チームによる実験画像の捏造(ねつぞう)などが見過ごされて、調査委員会の不正認定と論文取り下げ勧告に至った原因の分析と、理研の組織的な責任などについて議論してきました。

 改革委の岸輝雄委員長(新構造材料技術研究組合理事長)は「この問題は世界中から注目されている。研究不正をめぐる不祥事は、科学者自らによって解明、解決されなくてはならない」と述べました。


 STAP(スタップ)論文 小保方さんらが科学誌『ネイチャー』(1月30日号)に発表した2本の研究論文。マウスの皮膚や血液などの体細胞に弱酸性の溶液に浸すなどの刺激を与えるだけでできる、新型の“万能細胞”として世界中から注目を浴びました。「STAP」は、「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得」を意味する英語の頭文字。

 しかしその後、不自然な画像データがあるなどの指摘が相次ぎ、理研の調査委員会が、2本の論文のうち主論文について小保方さんによる研究不正を認定。小保方さんは当初、論文の撤回を拒んでいましたが、5月末から6月にかけて態度を一転させ、2本の論文撤回に同意しました。


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